第3回 「文献検索、資料収集」
ノートテイキング(ノートの作り方)【復習】
大学の授業スタイルの違い
前回は、実際に3つのスタイルの模擬授業を受けてもらい、
ノートを取りながら、
それぞれのスタイルの違いや注意点について考えてもらいました。
- 教科書やプリントに沿った授業
- 板書を中心とする授業
- スライドを利用した授業
なぜノートを取る/作るのか?
ノートを取ったり作るのは、何の目的のためにするのか、
あらためて考えてみましょう。
たとえば、次の3つの目的でノートを取る/作るときに、
どのようなことに注意するとよいでしょうか?
【ポイント】ノートを活用するには?
- 授業内容を再現できるように:板書をそのまま写すのではなくポイントを押さえる
- キーワードや要点を逃さない:一言一句書き取っていては聞き逃す
- 授業内容を立体的にとらえる:記号や矢印、イラストなどをうまく使う
- 余白を多くつくって活用する:追加情報を記入する場所をあらかじめ用意しておく
ノートテイキング(ノートの作り方)【応用編】
ノートを作る(≠書く、取る)ときに、
目的や状況に合わせて、どのような工夫をすればよいでしょうか。
また、ノートを作るときに使う文房具の利用についても考えてみましょう。
ノートの取り方のポイント
ある「優れたノートの作り方の例」を参考にして、
役に立つノートの特徴や作り方のポイントを整理してみましょう。
例えば、インプット型・アウトプット型の授業でのポイントは、
次のようになります。
- インプット(知識説明)型授業
- 復習を重視し、キーワードや要約を書く余白をあらかじめ作る
(例:コーネル大学式ノート)
- アウトプット(問題演習)型授業
- 予習を重視し、自分の考えや調べたことと模範解答を比べられるようにする
ノートを活用するためには、定期的にノートを読み返すことが重要です。
ただし、授業の後や試験の前にノートを清書するのは、二度手間です。
授業の直前や授業後しばらく(数週間程度)して読み返して、
授業を思い出せるように、丁寧に書くことをおススメします。
図解の活用
ノートを作るときには、文字で書くことだけが重要ではありません。
物事の関係や考え方・情報の構造などを図で書いた図解があれば、
視覚的に内容を理解・確認するのに役立ちます。
文房具の利用
ノートを作るときには、文房具が欠かせません。
どんな道具があると良いか、
その道具をどのように利用するか、考えてみましょう。
- 筆記用具
- ボールペン:速記に便利、3色ボールペンで情報を分類
- 蛍光ペン:キーワードを中心に、コピーしても写らない
- ただし何色も使えばいいわけではない:色で重要度や情報の意味を使い分ける
- 付箋の活用
- いろんな付箋:サイズ(大・中・小)、素材(紙、透明フィルム)
- 読書ときの目印:気に入ったフレーズに張る、疑問に思ったところに張る
- メモや情報の整理に:大きめの付箋に書く、後でグループにまとめる
参考文献
- 齋藤孝「三色ボールペン情報活用術」(角川oneテーマ21 B-43), 角川書店 (2003.06).
- 田村仁人「アタマが良くなる合格ノート術」, ディスカヴァー・トゥエンティワン (2007.04).
- 堀公俊, 加藤彰「ファシリテーション・グラフィック」, 日本経済新聞社 (2006.09).
- 太田あや「東大合格生のノートはかならず美しい」, 文藝春秋 (2008.09).
- 永田豊志「頭がよくなる「図解思考」の技術」, 中経出版 (2009.11).
次回の予定
「学習活動の基礎的知識(1) 問題意識から研究課題へ」
- 文献検索、資料収集
- 5月12日(水)15:25〜16:10の図書館ツアーに向けての準備をはじめます
準備するもの
- キャンパスガイド(学生便覧)
- 前回までに配布したプリント資料
宿題
- 自分の地元の図書館について、報告してください(口頭で)。