TITLE:第10回 「演習課題への挑戦(3)」 *第10回「演習課題への挑戦(3)」 [#ubae18f0] これまでのゼミの資料は、次のサイトに公開されています。 印刷した資料が必要な場合は、サイトからプリントアウトしてください。 -http://arena.hyogo-dai.ac.jp/~kawano/kisozemi/ -ゼミに関係する書籍などの情報もあります。 **自分の考えをまとめて相手に伝える ―論理的な文章のまとめ方― [#we0bb468] レポートなどで、 自分の考えを確実に相手に伝え、 それを理解してもらうには、どうすればよいでしょうか。 それには、「''問題点を共有し、自分の考え(結論)とその理由を明確にする''」 ことが重要です。 ***「考えが伝わる文章」の構成 [#m2476f39] 自分が一番伝えたいことを、相手に確実に伝える文章にするには、 次の構成でまとめてみましょう。 +問題 : ひとつの問題を示して問題意識を共有する 「〜すべきかどうか?」「〜どうすればよいか?」「なぜ〜なのか?」 +結論 : 相手を一つの結論へ導く 「すべきである/すべきではない」「それには〜がよい」「なぜなら〜だからだ」 +理由 : 結論にいたる筋道を相手に理解してもらう 「なぜなら〜だからである」 #ref(2010zemi1/6th/zemi0601.png,nolink,考えが伝わる文章の基本構造) なお、「読みやすい文章」だからといって、 それが「考えが伝わる文章」であるとは限りません。 (エッセイ、コラムなど) ***「自分の考え」を明確にする追加要素 [#zd5c4d44] 基本形である「問題・結論・理由」に、 次のような要素を加えると、 さらに説得力のある文章になります。 -理由を支える証拠 : 相手に理由を納得させる根拠を示す 「〜について説明する」「〜によると…」 -反論への備え : 反対意見を想定してそれに対する再反論を示す 「〜という考え方があるが…」「〜という反論があるかもしれない。しかし…」 -結論の確認 : 全体をまとめる **アイデアをひき出す・整理する [#pe4d1474] ***自分でアイデアをひきだす(マインドマップ) [#b80eeb45] +大きめの紙と多色ペン(多色のボールペンも可)を用意する +テーマに関連する概念の中心となるキーワードやイメージの図を、紙の中央に描く +中央のキーワードやイメージから放射状に、関連するキーワードやイメージを(ある程度自由に)繋げながら描いていく +気がついたことや思いついたアイデアを、樹の枝のように伸ばしながら、発想を展開していく +離れた枝にあるキーワード同士に関連性があれば線でつないだり、ひとまとまりの枝を枠(雲型)で囲む ***自分でアイデアを整理する(KJ法、親和法) [#tdcdf517] +ブレストをして出てきたアイデア全部を一覧できるようにする +アイデアの意味や特徴を確認しながら、似ているものを集める +集められたカードやポストイットのグループに、名前を付ける +グループに分けたアイデアを参考に、グループごとや全体について、最初からの作業を何回か繰り返す ***皆でアイデアをひき出す(ブレインストーミング:ブレスト) [#n4547d92] +与えられたテーマについて思いついたことを、カードや大型のポストイットに、1枚につき1件書く --「最低一人○件以上」という条件をつけるとよい +全員のカードやポスイットを、壁や模造紙などに張って、簡単に説明する +説明に対してはポジティブに反応し、反対意見がある場合は新しいアイデアとして提案する +他のひとの意見やアイデアを参考にして、新しいアイデアを出してもよい **参考文献 [#z2decf3c] -南田勝也・矢田部圭介・山下玲子「ゼミで学ぶスタディスキル」, 北樹出版 (2011.04) -中澤務・森貴史・本村康哲編「知のナヴィゲーター」, くろしお出版 (2007.04) -学習技術研究会編著「知へのステップ 第3版」, くろしお出版 (2011.03) -専修大学出版企画委員会編「知のツールボックス」, 専修大学出版局 (2006.04). // -石坂春秋「レポート・論文・プレゼン スキルズ」, くろしお出版 (2003.03). -佐藤望編著, 湯川武, 横山千晶, 近藤明彦「アカデミック・スキルズ」, 慶応義塾大学出版会 (2006.10). // -小笠原喜博「大学生のためのレポート・論文術」(講談社現代新書 1603), 講談社(2002.04). //-河野哲也「レポート・論文の書き方入門 第3版」, 慶応義塾大学出版会 (2002.12). -飯間浩明「非論理的な人のための論理的な文章の書き方入門」(ディスカバー携書 029), ディスカバー・トゥエンティワン (2008.12). -森時彦, ファシリテーターの道具研究会「ファシリテーターの道具箱」, ダイアモンド社 (2008.03). -石井力重「アイデア・スイッチ」, 日本実業出版社 (2009.07). |