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第10回「演習課題への挑戦(3)」

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自分の考えをまとめて相手に伝える ―論理的な文章のまとめ方―

レポートなどで、 自分の考えを確実に相手に伝え、 それを理解してもらうには、どうすればよいでしょうか。 それには、「問題点を共有し、自分の考え(結論)とその理由を明確にする」 ことが重要です。

「考えが伝わる文章」の構成

自分が一番伝えたいことを、相手に確実に伝える文章にするには、 次の構成でまとめてみましょう。

  1. 問題 : ひとつの問題を示して問題意識を共有する
    「〜すべきかどうか?」「〜どうすればよいか?」「なぜ〜なのか?」
  2. 結論 : 相手を一つの結論へ導く
    「すべきである/すべきではない」「それには〜がよい」「なぜなら〜だからだ」
  3. 理由 : 結論にいたる筋道を相手に理解してもらう
    「なぜなら〜だからである」
考えが伝わる文章の基本構造

なお、「読みやすい文章」だからといって、 それが「考えが伝わる文章」であるとは限りません。 (エッセイ、コラムなど)

「自分の考え」を明確にする追加要素

基本形である「問題・結論・理由」に、 次のような要素を加えると、 さらに説得力のある文章になります。

  • 理由を支える証拠 : 相手に理由を納得させる根拠を示す
    「〜について説明する」「〜によると…」
  • 反論への備え : 反対意見を想定してそれに対する再反論を示す
    「〜という考え方があるが…」「〜という反論があるかもしれない。しかし…」
  • 結論の確認 : 全体をまとめる

アイデアをひき出す・整理する

自分でアイデアをひきだす(マインドマップ)

  1. 大きめの紙と多色ペン(多色のボールペンも可)を用意する
  2. テーマに関連する概念の中心となるキーワードやイメージの図を、紙の中央に描く
  3. 中央のキーワードやイメージから放射状に、関連するキーワードやイメージを(ある程度自由に)繋げながら描いていく
  4. 気がついたことや思いついたアイデアを、樹の枝のように伸ばしながら、発想を展開していく
  5. 離れた枝にあるキーワード同士に関連性があれば線でつないだり、ひとまとまりの枝を枠(雲型)で囲む

自分でアイデアを整理する(KJ法、親和法)

  1. ブレストをして出てきたアイデア全部を一覧できるようにする
  2. アイデアの意味や特徴を確認しながら、似ているものを集める
  3. 集められたカードやポストイットのグループに、名前を付ける
  4. グループに分けたアイデアを参考に、グループごとや全体について、最初からの作業を何回か繰り返す

皆でアイデアをひき出す(ブレインストーミング:ブレスト)

  1. 与えられたテーマについて思いついたことを、カードや大型のポストイットに、1枚につき1件書く
    • 「最低一人○件以上」という条件をつけるとよい
  2. 全員のカードやポスイットを、壁や模造紙などに張って、簡単に説明する
  3. 説明に対してはポジティブに反応し、反対意見がある場合は新しいアイデアとして提案する
  4. 他のひとの意見やアイデアを参考にして、新しいアイデアを出してもよい

参考文献

  • 南田勝也・矢田部圭介・山下玲子「ゼミで学ぶスタディスキル」, 北樹出版 (2011.04)
  • 中澤務・森貴史・本村康哲編「知のナヴィゲーター」, くろしお出版 (2007.04)
  • 学習技術研究会編著「知へのステップ 第3版」, くろしお出版 (2011.03)
  • 専修大学出版企画委員会編「知のツールボックス」, 専修大学出版局 (2006.04).
  • 佐藤望編著, 湯川武, 横山千晶, 近藤明彦「アカデミック・スキルズ」, 慶応義塾大学出版会 (2006.10).
  • 飯間浩明「非論理的な人のための論理的な文章の書き方入門」(ディスカバー携書 029), ディスカバー・トゥエンティワン (2008.12).
  • 森時彦, ファシリテーターの道具研究会「ファシリテーターの道具箱」, ダイアモンド社 (2008.03).
  • 石井力重「アイデア・スイッチ」, 日本実業出版社 (2009.07).

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Last-modified: Tue, 11 Mar 2014 19:42:02 JST (3711d)