第10回「演習課題への挑戦(3)」
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自分の考えをまとめて相手に伝える ―論理的な文章のまとめ方―
レポートなどで、
自分の考えを確実に相手に伝え、
それを理解してもらうには、どうすればよいでしょうか。
それには、「問題点を共有し、自分の考え(結論)とその理由を明確にする」
ことが重要です。
「考えが伝わる文章」の構成
自分が一番伝えたいことを、相手に確実に伝える文章にするには、
次の構成でまとめてみましょう。
- 問題 : ひとつの問題を示して問題意識を共有する
「〜すべきかどうか?」「〜どうすればよいか?」「なぜ〜なのか?」
- 結論 : 相手を一つの結論へ導く
「すべきである/すべきではない」「それには〜がよい」「なぜなら〜だからだ」
- 理由 : 結論にいたる筋道を相手に理解してもらう
「なぜなら〜だからである」
なお、「読みやすい文章」だからといって、
それが「考えが伝わる文章」であるとは限りません。
(エッセイ、コラムなど)
「自分の考え」を明確にする追加要素
基本形である「問題・結論・理由」に、
次のような要素を加えると、
さらに説得力のある文章になります。
アイデアをひき出す・整理する
自分でアイデアをひきだす(マインドマップ)
- 大きめの紙と多色ペン(多色のボールペンも可)を用意する
- テーマに関連する概念の中心となるキーワードやイメージの図を、紙の中央に描く
- 中央のキーワードやイメージから放射状に、関連するキーワードやイメージを(ある程度自由に)繋げながら描いていく
- 気がついたことや思いついたアイデアを、樹の枝のように伸ばしながら、発想を展開していく
- 離れた枝にあるキーワード同士に関連性があれば線でつないだり、ひとまとまりの枝を枠(雲型)で囲む
自分でアイデアを整理する(KJ法、親和法)
- ブレストをして出てきたアイデア全部を一覧できるようにする
- アイデアの意味や特徴を確認しながら、似ているものを集める
- 集められたカードやポストイットのグループに、名前を付ける
- グループに分けたアイデアを参考に、グループごとや全体について、最初からの作業を何回か繰り返す
皆でアイデアをひき出す(ブレインストーミング:ブレスト)
- 与えられたテーマについて思いついたことを、カードや大型のポストイットに、1枚につき1件書く
- 全員のカードやポスイットを、壁や模造紙などに張って、簡単に説明する
- 説明に対してはポジティブに反応し、反対意見がある場合は新しいアイデアとして提案する
- 他のひとの意見やアイデアを参考にして、新しいアイデアを出してもよい
参考文献
- 南田勝也・矢田部圭介・山下玲子「ゼミで学ぶスタディスキル」, 北樹出版 (2011.04)
- 中澤務・森貴史・本村康哲編「知のナヴィゲーター」, くろしお出版 (2007.04)
- 学習技術研究会編著「知へのステップ 第3版」, くろしお出版 (2011.03)
- 専修大学出版企画委員会編「知のツールボックス」, 専修大学出版局 (2006.04).
- 佐藤望編著, 湯川武, 横山千晶, 近藤明彦「アカデミック・スキルズ」, 慶応義塾大学出版会 (2006.10).
- 飯間浩明「非論理的な人のための論理的な文章の書き方入門」(ディスカバー携書 029), ディスカバー・トゥエンティワン (2008.12).
- 森時彦, ファシリテーターの道具研究会「ファシリテーターの道具箱」, ダイアモンド社 (2008.03).
- 石井力重「アイデア・スイッチ」, 日本実業出版社 (2009.07).