TITLE:第5回 「学習活動の基礎的知識(2)」 *第5回「学習活動の基礎的知識(2) 情報収集」 [#ubae18f0] *第5回 学習活動の基礎的知識(2) 情報収集 [#ubae18f0] **レポートを書く(応用編) [#pfcd62c4] **前回の宿題 [#e272478f] -前回配布した資料の書評を提出し、提出された書評について、全員で議論してみる ***引用のしかた [#a94e3393] -「''引用''」とは、レポートや論文で、他の文献の意見や考えを紹介して、自分の意見を明確にする -引用するときの一番の注意点は、どの部分が引用なのか、それがわかるように書くこと --''他人の意見を自分の意見のように書く''ことは、いわゆる「盗作」という犯罪になる -また「引用に自分の意見を語らせない」で、自分の意見を陰陽とは別に書く -また引用は、必要最低限にとどめる 引用のしかたには、いくつかのやり方があるが、一般的なやり方を説明する。 **資料から情報収集する [#p5f258ff] +要約して引用:必要かつ十分な長さで要約する +短い引用(2行以内):引用文をカギカッコ(「」)でくくる #pre{{ 安田は、人々から組織の関係をとらえるのに「現象から記号(すなわち) モデルを投資するような柔軟性を備えなければならない」と述べている。 }} +長い引用(3行以上):引用文の前後に1行空けて、左側を2〜3文字分字下げする #pre{{ 安田は、『ネットワーク分析』のなかで、次のように述べている。 ***情報収集への取り組み方 [#m0ce168e] +テーマに関する全体的な知識や動向を調べる +テーマに関する基礎的な知識や専門用語などを調べる +テーマに関する最新の知識や動向を調べる +テーマに関連する他の分野の知識や情報を調べる 言葉をかえて言うならば、「行為者の行為を、個人的な属性からで はなく、その行為者を取り囲むネットワークによって説明する」た めの分析をおこなうのが、ネットワーク分析です。 探した情報は、必ず、''どこにある情報かを記録''して、''コピーまたは印刷して保存''しておきましょう。 --ネット上の情報は「お気に入り」に追加しておき、印刷もする --図書・文献は、コピーをしたり「文献メモ」を作成しておく つまり…… }} なお、2番目と3番目の場合は、 一字一句正確に引用し、 勝手に加筆・訂正してはいけない。 ***資料の種類(第3回の復習) [#xbafab23] -参考図書(レファレンス・ブック):ある分野の全体的な知識を網羅できる --辞書、事典、百科事典、年間、統計資料、白書、文献目録など -新聞:比較的新しい情報が入手できる --一般紙(全国紙、地方紙)、専門誌・業界紙、機関紙など -図書/単行本:特定分野の知識が体系的にまとまっている --文庫本、新書、専門書など -雑誌、逐次(定期)刊行物:特定分野の動向や新しい知識など専門的な情報が得られる --一般雑誌、学術雑誌(学術雑誌、論文誌、講演論文集、学術定期刊行物など) -CD-ROM、DVD --電子化された辞書や事典、資料のデータベース -インターネット上の情報 --公的な情報(政府や自治体)、大衆向けの情報(マスコミ、企業)、私的な情報(個人サイト、まとめサイト) ***参考文献の示し方 [#dd239c51] -引用したり参考にした資料があれば、 その出典(情報の出所)を、 「''参考文献''」として書き出す -参考文献として示すのに必要な情報は、 奥付(巻末の、著者や出版社、出版地が書かれた部分)にある -参考文献の示し方には、分野や年代によって、いくつかの書き方があることに注意 +単行本(単著、共著) --書式:著者『書名』、出版社、出版年(西暦)。 ---例:安田雪『実践ネットワーク分析』、新曜社、2001年。 ---例:増田直紀、今野紀雄『複雑ネットワークの科学』、産業図書、2005年。 +単行本(編著) --書式:編著者『書名』、出版社、出版年(西暦)。 ---例:佐藤嘉倫・平松闊編『ネットワーク・ダイナミクス』、勁草書房、2005年。 +翻訳書 --書式:原著者『書名』、翻訳者、出版社、(西暦)。 ---例:アルバート=ラズロ・バラバシ『新ネットワーク思考』、青木薫訳、NHK出版、2002年。 ***ネットを使って探す(公的情報源、白書、統計資料など) [#s065d0c5] -情報通信白書(総務省:http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/ ) -統計調査結果(e-Gov 電子政府の総合窓口:http://www.e-gov.go.jp/link/statistics.html ) -サイバー犯罪対策(警察庁:http://www.npa.go.jp/cyber/ ) -ハイテク対策(警視庁:http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/haiteku/ ) -情報セキュリティ(情報処理推進機構:http://www.ipa.go.jp/security/ ) -インターネットホットライン連絡協議会 (http://www.iajapan.org/hotline/ ) -インターネットトラブル(国民生活センター:http://www.kokusen.go.jp/topics/internet.html ) ***ネットを使って探す(専門に関する情報) [#laf58a93] -INETERNET Watch(インプレス:http://internet.watch.impress.co.jp/ ) -ネット・ウィルス情報(asahi.com:http://www.asahi.com/digital/internet/ ) -ネット&デジタル(YOMIURI ONLINE:http://www.yomiuri.co.jp/net/security/ ) -デジタル(日経トレンディネット:http://trendy.nikkeibp.co.jp/digital/ ) ***ネットを使って探す(文献情報など) [#s3a1c765] -文献の題目・著者・本文などで検索 --CiNii 論文情報ナビゲータ(国立情報学研究所:http://ci.nii.ac.jp/ ) --Google Scholar(Google:http://scholar.google.co.jp/ ) -OPAC(蔵書カタログ)の検索 --大学のOPAC(兵庫大学:http://media.hyogo-dai.ac.jp/lib/ ) --Webcat plus(国立情報学研究所:http://webcatplus.nii.ac.jp/ ) --NDL-OPAC(国立国会図書館:http://opac.ndl.go.jp/ ) -電子ジャーナル --J-STAGE(科学技術振興機構:http://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja ) --ScienceDirect (エルゼビア:http://www.sciencedirect.com/ ) **文献を読む ―クリティカル・リーディング(改良版)― [#n2042803] 「どこが、何が、面白かったのか」「どうして面白いと思ったのか」 「他の本と比べてどんな特徴があるのか」など、 批判的・分析的に読む。 ***書評(クリティカル・レビュー)を書く [#h284c041] 書評を通して、 自分なりのテーマと問題提起をして議論する仕方を学ぶ。 そして、知識の習得と、 自分独自のテーマ・問題の発見をする力を養う。 ***書評の内容 [#ia994331] -タイトル --著者名「書名」、発行所、発行年。 -目的の提示(全体の10%ほど) --どんなテーマの文献についての批判なのか、著者がどんな議論をしているのか大まかに説明する。 --以下で述べる手順について簡単に説明する。 -要約(全体の30〜40%ほど) --文献やパラグラフ(段落)の順を追って、メリハリをつけて要約する。 ---まず、パラグラフを一文で要約。 ---パラグラフの要約をつなげたものを、さらに一文で要約。 ---場合によっては、節→章の順に、要約していく。 --キーワードやキーセンテンスについて説明をし、また、専門用語や重要な概念には解説をする。 -問題提起(全体の10〜20%ほど) --著者の主張のうち、中心的・重要な話題を数点取り上げる。 ---自分が関心を持った主張、重要と思われる意見をピックアップし、その理由や根拠を示す(ただ「関心がある」「面白い」ではダメ)。 --それに対しての問題提起(疑問、反論、同意)を行う。 -議論(全体の30〜40%ほど) --問題提起した内容について、議論を展開する。 --別の例の提示や別の説明などを説得力のあるかたちで、論理的・実証的に説明する。 -まとめ(全体の10〜20%ほど) --以上をまとめて要約し、結論づける。 **参考文献 [#z2decf3c] -学習技術研究会編著「知へのステップ 改訂版」, くろしお出版 (2006.10) -専修大学出版企画委員会編「知のツールボックス」, 専修大学出版局 (2006.04). //-学習技術研究会編著「知へのステップ 改訂版」, くろしお出版 (2006.10). //-専修大学出版企画委員会編「知のツールボックス」, 専修大学出版局 (2006.04). -石坂春秋「レポート・論文・プレゼン スキルズ」, くろしお出版 (2003.03). -佐藤望編著, 湯川武, 横山千晶, 近藤明彦「アカデミック・スキルズ」, 慶応義塾大学出版会 (2006.10). -小笠原喜博「大学生のためのレポート・論文術」(講談社現代新書 1603), 講談社(2002.04). -河野哲也「レポート・論文の書き方入門 第3版」, 慶応義塾大学出版会 (2002.12). //-森時彦, ファシリテーターの道具研究会「ファシリテーターの道具箱」, ダイアモンド社 (2008.03). **宿題 [#hd23085b] 指定されたテーマについて、次のような資料から情報収集しなさい。 -図書館から文献を、「1冊」借りる -ネットから関心のある記事を、「3つ」ピックアップする --その記事のページを印刷しておく 探した資料が適切なものか、チェックします。 |