第7回 学習活動の基本スキル(2)
前回の宿題
- 前々回の授業で、図書館で借りた本の書評を発表する(ひとり5分程度)
レポートを書く(応用編)
レポートの構成
たいていのレポートは「序論」「本論」「結論」の三部構成になっている。
- 序論 「読む人に向けて、これから何について、なぜ書こうとするのかを知ってもらう」
- 背景の説明:前提なる知識や事実を紹介
- 問題の提起:そのテーマのどこに問題点・疑問点を見つけたのか
- 目的の提示:何を明らかにするのか
- 本論 「問題提起したことへの答えを出す」
- 事実の提示:事実を明らかにする(複数の)
- 意見の提示:事実に基づく意見を述べる
- 最終的な主張の提示
- 結論 「全体を通しての主張をまとめる」
- 全体のまとめ:これまで述べてきたことを整理し、最終的な主張の妥当性を確認してもらう
- 評価と展望:成果について客観的に評価し、今後どのように発展させるか
引用のしかた
- 「引用」とは、レポートや論文で、他の文献の意見や考えを紹介して、自分の意見を明確にする
- 引用するときの一番の注意点は、どの部分が引用なのか、それがわかるように書くこと
- 他人の意見を自分の意見のように書くことは、いわゆる「盗作」という犯罪になる
- また「引用に自分の意見を語らせない」で、自分の意見を陰陽とは別に書く
- また引用は、必要最低限にとどめる
引用のしかたには、いくつかのやり方があるが、一般的なやり方を説明する。
- 要約して引用:必要かつ十分な長さで要約する
- 短い引用(2行以内):引用文をカギカッコ(「」)でくくる
安田は、人々から組織の関係をとらえるのに「現象から記号(すなわち)
モデルを投資するような柔軟性を備えなければならない」と述べている。
- 長い引用(3行以上):引用文の前後に1行空けて、左側を2〜3文字分字下げする
安田は、『ネットワーク分析』のなかで、次のように述べている。
言葉をかえて言うならば、「行為者の行為を、個人的な属性からで
はなく、その行為者を取り囲むネットワークによって説明する」た
めの分析をおこなうのが、ネットワーク分析です。
つまり……
なお、2番目と3番目の場合は、
一字一句正確に引用し、
勝手に加筆・訂正してはいけない。
参考文献の示し方
- 引用したり参考にした資料があれば、
その出典(情報の出所)を、
「参考文献」として書き出す
- 参考文献として示すのに必要な情報は、
奥付(巻末の、著者や出版社、出版地が書かれた部分)にある
- 複数の参考文献を書くときは、著者名の五十音順またはアルファベット順に並べる
- 参考文献の示し方には、分野や年代によって、いくつかの書き方があることに注意
- 単行本(単著、共著)
- 書式:著者名『書名』、出版社、出版年(西暦)。
- 例:安田雪『実践ネットワーク分析』、新曜社、2001年。
- 例:増田直紀、今野紀雄『複雑ネットワークの科学』、産業図書、2005年。
- 単行本(編著)
- 書式:編著者『書名』、出版社、出版年(西暦)。
- 例:佐藤嘉倫・平松闊編『ネットワーク・ダイナミクス』、勁草書房、2005年。
- 翻訳書
- 書式:原著者名『書名』、翻訳者名、出版社、出版年(西暦)。
- 例:アルバート=ラズロ・バラバシ『新ネットワーク思考』、青木薫訳、NHK出版、2002年。
- 雑誌論文・記事
- 書式:著者名「論文名・記事タイトル」『雑誌名』、巻・号、発行年(西暦)、ページ。
- 例:中山洋、大和雅俊、山口正二、玉田和恵、松田稔樹「情報ののぞき見を題材とした情報モラル指導教材へのVRの活用に向けた実験的研究」『教育システム情報学会誌』,
Vol.24 No.1、(2007年)、pp. 26〜34。
- インターネット上の情報
- 書式:著者名または発行者名「文書名」、URL(閲覧日:西暦での日付)。
参考文献
- 学習技術研究会編著「知へのステップ 改訂版」, くろしお出版 (2006.10)
- 専修大学出版企画委員会編「知のツールボックス」, 専修大学出版局 (2006.04).
- 佐藤望編著, 湯川武, 横山千晶, 近藤明彦「アカデミック・スキルズ」, 慶応義塾大学出版会 (2006.10).
- 小笠原喜博「大学生のためのレポート・論文術」(講談社現代新書 1603), 講談社(2002.04).
- 河野哲也「レポート・論文の書き方入門 第3版」, 慶応義塾大学出版会 (2002.12).
宿題
- 宿題の書評やWebから収集した資料をもとにレポートを作成すること
- テーマは「インターネットや携帯電話は何歳から使わせてよいか?」
- 使用する紙のサイズは、A4サイズ
- 1枚目は表紙で、2枚目以降はレポートを書く(枚数は 2,3枚程度)
- 手書きでもワープロで印刷したものでもよい
- レポートの構成、参考文献の引用のしかたに気をつけること