「学習活動の基礎的知識(1) 問題意識から研究課題へ」
オープニング
- 宿題の提出
- 「インターネット社会を生きるための情報倫理 2008年版」の感想
- A4用紙1枚程度
- H2081004
- H2081017
- H2081024
- H2081026
レポートを書く(基礎編)
- 感想文は、自分の気持ちや感情を書き表したもの(主観的な見方)
- 心に残った文章とその理由を述べる
- 「もし自分なら」「こういう状況なら」など仮定して考えてみる
- レポートとは、「調査や研究の結果わかった『事実』と、それに基づく自分の『意見』をまとめたもの
- 事実:内容が本当かどうか(真か偽か)客観的に確かめられる文
- 意見:書き手の考え(判断、推測)をあらわした文(客観的な事実に基づく)
表紙のレイアウト
レポート作成と提出時の注意
- まずは「キャンパスガイド2008」の88ページで確認
- 指定された提出日と時間は、必ず守る
- 書式などが指定されている場合は、必ず守る
- 用紙は、とくに指定がなければA4サイズのレポート用紙(ルーズリーフは避ける)
- 複数枚のレポートは、左上を1か所、または左側を2か所、ホッチキスで止める
正確な文章を書く
- 文体は「である体」で書く
- 主語と述語の関係を明確にする
- 「こそあど」言葉(指示代名詞)を多用しない、体言止めは使わない
- 文章の長さは短めにする
- 読点(、)は、動詞を含む部分が2つ以上ある場合は、その間に打つ
- 漢字とひらがなを使い分けに注意する
- 「言う」→「いう」
- 「〜する時」→「〜するとき」
- 「所謂」→「いわゆる」
- 「特に」→「とくに」
- 「故に」→「ゆえに」
- 「時々」→「ときどき」
- ○「いう」、×「ゆう」
- ○「とおり」、×「とうり」
- 接続詞を正しく使う
- 結果・帰結:ので、から、だから、したがって、と、それで、すると
- 逆説・対照:しかし、けれども、のに、ても、ところが
- 追加・累加:たり、そして、また、なお、ところが
- 言換・例示:つまり、すなわち、要するに、たとえば
- 理由・補足:なぜなら、というのは、、ただし、もっとも
- 話題の転換:さて、ところで
- 数字の書き方を統一する
- 箇条書きを活用する
- 内容を列挙したり分類するには便利で、要点がはっきりする
レポートの構成
たいていのレポートは「序論」「本論」「結論」の三部構成になっている。
- 序論 「読む人に向けて、これから何について、なぜ書こうとするのかを知ってもらう」
- 背景の説明:前提なる知識や事実を紹介
- 問題の提起:そのテーマのどこに問題点・疑問点を見つけたのか
- 目的の提示:何を明らかにするのか
- 本論 「問題提起したことへの答えを出す」
- 事実の提示:事実を明らかにする(複数の)
- 意見の提示:事実に基づく意見を述べる
- 最終的な主張の提示
- 結論 「全体を通しての主張をまとめる」
- 全体のまとめ:これまで述べてきたことを整理し、最終的な主張の妥当性を確認してもらう
- 評価と展望:成果について客観的に評価し、今後どのように発展させるか
文献を読む ―クリティカル・リーディング(批判的読解)―
本を読むときの態度は、次の二通り。
- 速読:内容全体をさっとと見通して、その後にその文献での主張を把握し、評価する
- 精読:ノートを取りながらひとつひとつの文章、論理をじっくりと正確に読み取る
ここでは、精読で文献を読む方法について取り上げる。
目次や「まえがき」「あとがき」をチェックする
- 目次
- 「まえがき」
- その文献が書かれた背景、著者の立場、著者が読んでほしいと思っている箇所、対象としている読者層などが書かれる
- 「まえがき」
- 著者による全体のまとめや要約、あらためてアピールしたい重要なポイントなどが書かれる
パラグラフの役割に注目する
パラグラフの日本語訳は「段落」になるが、
文書全体の役割上、「パラグラフ=段落」ではない。
- 段落:文頭の一文字が空白で始まる、ひとまとまりの文章
- 一つ以上の段落で構成される、意味上のひとまとまりの文章
パラグラフや段落を読み解くには、次のようなポイントが大事である。
- ひとつのパラグラフや段落には、ひとつの意味や大事な点が書かれている(大原則)
- 重要なポイントは、段落の冒頭や末尾にあることが多い
- 接続詞に注意して、段落と段落のつながりを読み解く
→つながりがある文章はひとつのパラグラフになる場合が多い
キーワードやキーセンテンスをマーキングする
- キーワード
- ひとつの段落や節・章のなかで、繰り返し出てくる語句
- キーセンテンス
- キーワードを含む文章、重要なポイントと思われる文章
- 蛍光ペンや付せんなどで、キーワードやキーセンテンスに印をつける
要約をする
- 正確に読めているか確認するために、要点だけを押さえる
- 自分で勝手に意味をつけたり、でたらめで適当な解釈をしてはいけない
- 段階的に要約していく
- 段落・パラグラフの要約
→節・章の要約
→文献全体の要約
- 要約の過程で、補助的・補足的なことは取り除いて、中心となる部分だけまとめる
疑問・反論・同論を書きとめる
- 疑問への答えを探しながら読む
- 読む前からあらかじめ自分が持っている疑問
- 読んでいくうちに生まれた疑問
- 書かれている事実・意見が正しいか論理的に検討してみる
- 具体性に欠けていないか
- 論理的な事実に基づいているか(感情に基づいていないか)
- 場合によっては文献の主張や意見に対して説得力のある異論を唱える
書評(クリティカル・レビュー)を書く
クリティカル・リーディングの結果を、
書評としてまとめる。
- タイトル
- 概要
- 要約
- パラグラフの要約やキーセンテンスをつなげて、全体の要約をする。
専門用語や重要な概念について、自分で調べたことも、解説として加える。
- 問題提起
- 要約のなかから重要と思われる中心的な話題(主題)を取り上げ、
それに対しての疑問、反論、同意する点を提示する。
- 論議
- なぜそのように考えられるのか、論議する。
別の例を提示するなどして、別の説明などを説得力のあるかたちで、
論理的な文章としてまとめる
- まとめ
参考文献
- 学習技術研究会編著「知へのステップ 改訂版」, くろしお出版 (2006.10)
- 専修大学出版企画委員会編「知のツールボックス」, 専修大学出版局 (2006.04).
- 佐藤望編著, 湯川武, 横山千晶, 近藤明彦「アカデミック・スキルズ」, 慶応義塾大学出版会 (2006.10).
- 小笠原喜博「大学生のためのレポート・論文術」(講談社現代新書 1603), 講談社(2002.04).