TITLE:第9回 レポートの書き方Ⅱ (1) *第9回 レポートの書き方Ⅱ (1) [#ubae18f0] **レポートとは [#t8fe5ed1] -感想文は、自分の経験や自分の気持ち・感情を書き表したもの(主観的な見方) --印象に残った事柄・文章とその理由を述べる --「もし自分なら」「こういう状況なら」など仮定して考えてみる -レポートは、調査や実験の結果わかった『事実』と、それに基づく自分の『意見』をまとめたもの --事実:内容が本当かどうか(真か偽か)客観的に確かめられる --意見:書き手の考え(判断、推測)をあらわしている(客観的な事実に基づく) **自分の考えをまとめて相手に伝える ―論理的な文章のまとめ方― [#we0bb468] レポートなどで、 自分の考えを確実に相手に伝え、 それを理解してもらうには、どうすればよいでしょうか。 それには、「''問題点を共有し、自分の考え(結論)とその理由を明確にする''」 ことが重要です。 ***「考えが伝わる文章」の構成 [#m2476f39] 自分が一番伝えたいことを、相手に確実に伝える文章にするには、 次の構成でまとめてみましょう。 +問題 : ひとつの問題を示して問題意識を共有する 「~すべきかどうか?」「~どうすればよいか?」「なぜ~なのか?」 +結論 : 相手を一つの結論へ導く 「~すべきである/すべきではない」「それには~がよい」「~だからだと考えられる」 +理由 : 結論にいたる筋道を相手に理解してもらう 「なぜなら〜だからである」 #ref(2010zemi1/6th/zemi0601.png,nolink,80%,考えが伝わる文章の基本構造) なお、「読みやすい文章」だからといって、 それが「考えが伝わる文章」とは限りません。 (エッセイ、コラムなど) ***「自分の考え」を明確にする追加要素 [#zd5c4d44] 基本形である「問題・結論・理由」に、 次のような要素を加えると、 さらに説得力のある文章になります。 -理由を支える証拠 : 相手に理由を納得させる根拠を示す 「〜について説明する」「〜によると…」 「~について説明すると…」「~によると…」 -反論への備え : 反対意見を想定してそれに対する再反論を示す 「〜という考え方があるが…」「〜という反論があるかもしれない。しかし…」 「~という考え方があるが…」「~という反論があるかもしれない。しかし…」 -結論の確認 : 全体をまとめる **参考文献 [#z2decf3c] -南田勝也・矢田部圭介・山下玲子「ゼミで学ぶスタディスキル」, 北樹出版 (2011.04) -学習技術研究会編著「知へのステップ 第3版」, くろしお出版 (2011.03) -中澤務・森貴史・本村康哲編「知のナヴィゲーター」, くろしお出版 (2007.04) -飯間浩明「非論理的な人のための論理的な文章の書き方入門」(ディスカバー携書 029), ディスカバー・トゥエンティワン (2008.12). // -専修大学出版企画委員会編「知のツールボックス」, 専修大学出版局 (2006.04). -石坂春秋「レポート・論文・プレゼン スキルズ」, くろしお出版 (2003.03). // -佐藤望編著, 湯川武, 横山千晶, 近藤明彦「アカデミック・スキルズ」, 慶応義塾大学出版会 (2006.10). -小笠原喜博「大学生のためのレポート・論文術」(講談社現代新書 1603), 講談社(2002.04). // -河野哲也「レポート・論文の書き方入門 第3版」, 慶応義塾大学出版会 (2002.12). -泉忠司「90分でコツがわかる!『論文&レポート』の書き方」, 青春出版社 (2009.07). |