TITLE:第6回 「学習活動の基本スキル(1)」 *第6回「学習活動の基本スキル(1)」 [#ubae18f0] TITLE:第5回 「学習活動の基礎的知識(2)」 *第5回「学習活動の基礎的知識(2) 情報収集」 [#ubae18f0] **レポートを書く(応用編) [#pfcd62c4] ***引用のしかた [#a94e3393] -「''引用''」とは、レポートや論文で、他の文献の意見や考えを紹介して、自分の意見を明確にする -引用するときの一番の注意点は、どの部分が引用なのか、それがわかるように書くこと --''他人の意見を自分の意見のように書く''ことは、いわゆる「盗作」という犯罪になる -また「引用に自分の意見を語らせない」で、自分の意見を陰陽とは別に書く -また引用は、必要最低限にとどめる 引用のしかたには、いくつかのやり方があるが、一般的なやり方を説明する。 +要約して引用:必要かつ十分な長さで要約する +短い引用(2行以内):引用文をカギカッコ(「」)でくくる #pre{{ 安田は、人々から組織の関係をとらえるのに「現象から記号(すなわち) モデルを投資するような柔軟性を備えなければならない」と述べている。 }} +長い引用(3行以上):引用文の前後に1行空けて、左側を2〜3文字分字下げする #pre{{ 安田は、『ネットワーク分析』のなかで、次のように述べている。 言葉をかえて言うならば、「行為者の行為を、個人的な属性からで はなく、その行為者を取り囲むネットワークによって説明する」た めの分析をおこなうのが、ネットワーク分析です。 つまり…… }} なお、2番目と3番目の場合は、 一字一句正確に引用し、 勝手に加筆・訂正してはいけない。 ***参考文献の示し方 [#dd239c51] -引用したり参考にした資料があれば、 その出典(情報の出所)を、 「''参考文献''」として書き出す -参考文献として示すのに必要な情報は、 奥付(巻末の、著者や出版社、出版地が書かれた部分)にある -参考文献の示し方には、分野や年代によって、いくつかの書き方があることに注意 +単行本(単著、共著) --書式:著者『書名』、出版社、出版年(西暦)。 ---例:安田雪『実践ネットワーク分析』、新曜社、2001年。 ---例:増田直紀、今野紀雄『複雑ネットワークの科学』、産業図書、2005年。 +単行本(編著) --書式:編著者『書名』、出版社、出版年(西暦)。 ---例:佐藤嘉倫・平松闊編『ネットワーク・ダイナミクス』、勁草書房、2005年。 +翻訳書 --書式:原著者『書名』、翻訳者、出版社、(西暦)。 ---例:アルバート=ラズロ・バラバシ『新ネットワーク思考』、青木薫訳、NHK出版、2002年。 **文献を読む ―クリティカル・リーディング(改良版)― [#n2042803] 「どこが、何が、面白かったのか」「どうして面白いと思ったのか」 「他の本と比べてどんな特徴があるのか」など、 批判的・分析的に読む。 ***書評(クリティカル・レビュー)を書く [#h284c041] 書評を通して、 自分なりのテーマと問題提起をして議論する仕方を学ぶ。 そして、知識の習得と、 自分独自のテーマ・問題の発見をする力を養う。 ***書評の内容 [#ia994331] -タイトル --著者名「書名」、発行所、発行年。 -目的の提示(全体の10%ほど) --どんなテーマの文献についての批判なのか、著者がどんな議論をしているのか大まかに説明する。 --以下で述べる手順について簡単に説明する。 -要約(全体の30〜40%ほど) --文献やパラグラフ(段落)の順を追って、メリハリをつけて要約する。 ---まず、パラグラフを一文で要約。 ---パラグラフの要約をつなげたものを、さらに一文で要約。 ---場合によっては、節→章の順に、要約していく。 --キーワードやキーセンテンスについて説明をし、また、専門用語や重要な概念には解説をする。 -問題提起(全体の10〜20%ほど) --著者の主張のうち、中心的・重要な話題を数点取り上げる。 ---自分が関心を持った主張、重要と思われる意見をピックアップし、その理由や根拠を示す(ただ「関心がある」「面白い」ではダメ)。 --それに対しての問題提起(疑問、反論、同意)を行う。 -議論(全体の30〜40%ほど) --問題提起した内容について、議論を展開する。 --別の例の提示や別の説明などを説得力のあるかたちで、論理的・実証的に説明する。 -まとめ(全体の10〜20%ほど) --以上をまとめて要約し、結論づける。 **参考文献 [#z2decf3c] -学習技術研究会編著「知へのステップ 改訂版」, くろしお出版 (2006.10) -専修大学出版企画委員会編「知のツールボックス」, 専修大学出版局 (2006.04). -佐藤望編著, 湯川武, 横山千晶, 近藤明彦「アカデミック・スキルズ」, 慶応義塾大学出版会 (2006.10). -小笠原喜博「大学生のためのレポート・論文術」(講談社現代新書 1603), 講談社(2002.04). -河野哲也「レポート・論文の書き方入門 第3版」, 慶応義塾大学出版会 (2002.12). |