TITLE:第4回 学習活動の基礎的知識(1) *学習活動の基礎的知識(1) 問題意識から研究課題へ [#ubae18f0] **前回の宿題 [#x1099181] -テキスト「情報倫理2009」の2章「情報社会における生活」(22〜40ページ)を読んでおくこと --各自が担当する1つのトピックについて解説をする(3分程度) ---H2091028 : 22〜23ページ ---H2091022 : 24〜25ページ ---H2091014 : 30〜31ページ ---H2091012 : 32〜33ページ ---H2091008 : 34〜35ページ **レポートを書く(基礎編) [#hc93e149] -感想文は、自分の気持ちや感情を書き表したもの(主観的な見方) --心に残った文章とその理由を述べる --「もし自分なら」「こういう状況なら」など仮定して考えてみる -レポートとは、「調査や研究の結果わかった『事実』と、それに基づく自分の『意見』をまとめたもの --事実:内容が本当かどうか(真か偽か)客観的に確かめられる文 --意見:書き手の考え(判断、推測)をあらわした文(客観的な事実に基づく) ***表紙のレイアウト [#of60528c] -担当教員名 -開講曜日・時限 -「授業名」レポート --レポートのテーマ名(必要であれば) -提出日 -学部・学科名 -学籍番号、氏名 (表紙の例) 担当教員:河野 稔 水曜日 1時限 「基礎ゼミ?」レポート 2009年5月13日(水)提出 健康科学部 健康システム学科 H2091000 兵庫 太郎 **文献を読む ―クリティカル・リーディング(批判的読解)― [#v857119e] 書評を通して、 自分なりのテーマと問題提起をして議論する仕方を学ぶ。 ***レポート作成と提出時の注意 [#n33ceab1] -まずは「キャンパスガイド2009」の101ページで確認 -指定された提出日と時間は、必ず守る -書式などが指定されている場合は、必ず守る -用紙は、とくに指定がなければA4サイズのレポート用紙(ルーズリーフは避ける) -複数枚のレポートは、左上を1か所、または左側を2か所、ホッチキスで止める そして、知識の習得と、 自分独自のテーマ・問題の発見をする力を養う。 ***正確な文章を書く [#j66f9d3a] -文体は「である体」で書く --普段の生活で使う「です・ます体」は使わない -主語と述語の関係を明確にする --「こそあど」言葉(指示代名詞)を多用しない、体言止めは使わない -文章の長さは短めにする --読点(、)が少ない文章で、あいまいな表現を避ける -読点(、)は、動詞を含む部分が2つ以上ある場合は、その間に打つ --読点で文章の意味をキチンと区切る -漢字とひらがなを使い分けに注意する --「言う」→「いう」 --「〜する時」→「〜するとき」 --「所謂」→「いわゆる」 --「特に」→「とくに」 --「故に」→「ゆえに」 --「時々」→「ときどき」 --○「いう」、×「ゆう」 --○「とおり」、×「とうり」 -接続詞を正しく使う --結果・帰結:ので、から、だから、したがって、と、それで、すると --逆説・対照:しかし、けれども、のに、ても、ところが --追加・累加:たり、そして、また、なお、ところが --言換・例示:つまり、すなわち、要するに、たとえば --理由・補足:なぜなら、というのは、、ただし、もっとも --話題の転換:さて、ところで -数字の書き方を統一する --アラビア数字(1、2、3、…)なら半角文字で書く -箇条書きを活用する --内容を列挙したり分類するには便利で、要点がはっきりする ***レポートの構成 [#uaf05c7f] たいていのレポートは「''序論''」「''本論''」「''結論''」の三部構成になっている。 -序論 「読む人に向けて、これから何について、なぜ書こうとするのかを知ってもらう」 --背景の説明:前提なる知識や事実を紹介 --問題の提起:そのテーマのどこに問題点・疑問点を見つけたのか --目的の提示:何を明らかにするのか -本論 「問題提起したことへの答えを出す」 --事実の提示:事実を明らかにする(複数の) --意見の提示:事実に基づく意見を述べる --最終的な主張の提示 -結論 「全体を通しての主張をまとめる」 --全体のまとめ:これまで述べてきたことを整理し、最終的な主張の妥当性を確認してもらう --評価と展望:成果について客観的に評価し、今後どのように発展させるか **文献を読む ―クリティカル・リーディング(批判的読解)― [#v857119e] 本を読むときの態度は、次の二通り。 ***本を読むときの態度(スタイル) [#j2f82de1] -速読:内容全体をさっとと見通して、その後にその文献での主張を把握し、評価する -精読:ノートを取りながらひとつひとつの文章、論理をじっくりと正確に読み取る ここでは、精読で文献を読む方法について取り上げる。 ここでは、「精読」で文献を読む方法について取り上げる。 ***目次や「まえがき」「あとがき」をチェックする [#ccd0dc2e] ***目次や「まえがき」「あとがき」から全体を把握する [#ccd0dc2e] -目次 --大まかな内容や書かれている順序・構成を把握できる -「まえがき」 --その文献が書かれた背景、著者の立場、著者が読んでほしいと思っている箇所、対象としている読者層などが書かれる -「まえがき」 --著者による全体のまとめや要約、あらためてアピールしたい重要なポイントなどが書かれる ***パラグラフの役割に注目する [#t1f6b196] ***パラグラフに注目して内容を読み解く [#t1f6b196] ''パラグラフ''の日本語訳は「段落」になるが、 文書全体の役割上、「パラグラフ=段落」ではない。 -段落:文頭の一文字が空白で始まる、ひとまとまりの文章 -一つ以上の段落で構成される、''意味上のひとまとまりの文章'' パラグラフや段落を読み解くには、次のようなポイントが大事である。 -''ひとつのパラグラフや段落には、ひとつの意味や大事な点が書かれている(大原則)'' -重要なポイントは、段落の冒頭や末尾にあることが多い -接続詞に注意して、段落と段落のつながりを読み解く&br;→つながりがある文章はひとつのパラグラフになる場合が多い ***キーワードやキーセンテンスをマーキングする [#e3987681] ***重要なキーワードやキーセンテンスに印をつける [#e3987681] -キーワード --ひとつの段落や節・章のなかで、繰り返し出てくる語句 -キーセンテンス --キーワードを含む文章、重要なポイントと思われる文章 -蛍光ペンや付せんなどで、キーワードやキーセンテンスに印をつける --理解を高め、繰り返し読むときの効率性を高める ***要約をする [#w87ba0ab] ***要約して内容を整理する [#w87ba0ab] -正確に読めているか確認するために、要点だけを押さえる -自分で勝手に意味をつけたり、でたらめで適当な解釈をしてはいけない -段階的に要約していく --段落・パラグラフの要約&br;→節・章の要約&br;→文献全体の要約 --要約の過程で、補助的・補足的なことは取り除いて、中心となる部分だけまとめる ***疑問・反論・同論を書きとめる [#wc406809] ***内容への疑問・反論・同論を書きとめる [#wc406809] -疑問への答えを探しながら読む --読む前からあらかじめ自分が持っている疑問 --読んでいくうちに生まれた疑問 -書かれている事実・意見が正しいか論理的に検討してみる --具体性に欠けていないか --論理的な事実に基づいているか(感情に基づいていないか) -場合によっては文献の主張や意見に対して説得力のある異論を唱える ***書評(クリティカル・レビュー)を書く [#h284c041] クリティカル・リーディングの結果を、 書評としてまとめる。 **書評の内容 [#ia994331] -タイトル --著者名「書名」、発行所、発行年。 -概要 --文献の概要について述べる。 -要約 --パラグラフの要約やキーセンテンスをつなげて、全体の要約をする。 専門用語や重要な概念について、自分で調べたことも、解説として加える。 -問題提起 --要約のなかから重要と思われる中心的な話題(主題)を取り上げ、 それに対しての疑問、反論、同意する点を提示する。 -論議 --なぜそのように考えられるのか、論議する。 別の例を提示するなどして、別の説明などを説得力のあるかたちで、 論理的な文章としてまとめる -まとめ --以上をまとめて要約し、結論を述べる -目的の提示(全体の10%ほど) --どんなテーマの文献についての批評(コメント)なのか、著者がどんな議論をしているのか、内容について大まかに紹介する。 --以下で述べる手順について簡単に説明する。 -要約(全体の30〜40%ほど) --文献やパラグラフ(段落)の順を追って、メリハリをつけて要約する。 ---まず、パラグラフを一文で要約。 ---パラグラフの要約をつなげたものを、さらに一文で要約。 ---場合によっては、節→章の順に、要約していく。 --キーワードやキーセンテンスについて説明をし、また、専門用語や重要な概念には解説をする。 -問題提起(全体の10〜20%ほど) --著者の主張のうち、中心的・重要な話題を数点取り上げる。 ---自分が関心を持った主張、重要と思われる意見をピックアップし、その理由や根拠を示す(ただ「関心がある」「面白い」ではダメ)。 --それらに対しての自分自身の問題提起(疑問、反論、同意)を行う。 -議論(全体の30〜40%ほど) --自分で提起した問題について、議論を展開する。 --自分の主張を、別の例の提示や別の説明などを説得力のあるかたちで、論理的・実証的に説明する。 -まとめ(全体の10〜20%ほど) --以上をまとめて要約し、結論づける。 **参考文献 [#z2decf3c] -学習技術研究会編著「知へのステップ 改訂版」, くろしお出版 (2006.10) -専修大学出版企画委員会編「知のツールボックス」, 専修大学出版局 (2006.04). -佐藤望編著, 湯川武, 横山千晶, 近藤明彦「アカデミック・スキルズ」, 慶応義塾大学出版会 (2006.10). -小笠原喜博「大学生のためのレポート・論文術」(講談社現代新書 1603), 講談社(2002.04). -河野哲也「レポート・論文の書き方入門 第3版」, 慶応義塾大学出版会 (2002.12). **宿題 [#e272478f] -今回配布した資料の書評を書いて提出すること --使用する紙のサイズは、A4サイズ --枚数は、2,3枚程度(ホッチキス止めはしないこと) --1枚目の最初には、次のように書いておくこと 「基礎ゼミ?」レポート 2009年5月20日(水)提出 健康科学部 健康システム学科 学籍番号 自分の氏名 --手書きでもワープロで印刷したものでもよい |