第2回「情報倫理の概説/ソーシャルメディア」
スタディスキル
スタディスキルとは
「スタディスキル」(study skill;学修のための技能)は、
大学での学修だけでなく、
生涯のさまざまな場面で学び・成長するために欠かせない技能です。
次の内容は、スタディスキルの一部になります。
- ノートの取り方(ノートテイキング)
- テキストの読み方(クリティカル・リーティング:批判的読解)
- 文献や資料の検索(図書館やデータベースの利用)
- 要約のしかた(パラグラフ、キーワードやキーセンテンス)
- 考えのまとめ方(事実と意見の区別、発想の展開)
- レポートの書き方(全体の構成、文献の引用)
- 発表のしかた(発表資料の作り方、口頭発表)
スポーツや武道のように、
スタディスキルという学修の「基本的な型」をしっかり身に付けておけば、
専門分野の学習や創造性が期待される思考力の修練などに生かすことができます。
ワークシートの利用
ワークシートを使用して、
高校までの授業や「基礎ゼミI」で習得してきた、
自分の「スタディスキル」をふり返ります。
また、これから身に付けたい「スタディスキル」を各自に再確認します。
情報倫理:情報化社会の光と影
- 情報化社会の現状
- インターネットが生活の一部に:携帯電話の契約数は1億4千以上(2014年6月末現在)
- インターネットが既存のメディアに迫っている(例:広告効果はテレビや新聞に次ぐ)
- 光の側面
- ブログ、SNS、Twitter、Facebookなどで誰もが情報を発信できる(総表現者社会)
- 大勢の個人の知識を集約できる(群衆の叡智、例:ウィキペディア)
- 手軽に専門知識を得たり専門スキルを修得できる(知識の高速道路)
- 影の側面
- 情報漏えい、誹謗中傷、有害情報、迷惑メール(精神的な被害)
- 知的財産権の侵害、売買のトラブル(経済的な被害)
- 名誉毀損、違法/危険物販売、ネット詐欺、コンピュータウィルス(犯罪による被害)
- 情報化社会を支える三本柱
- 技術:情報技術による対策(フィルタリング、バイオメトリックス:生体認識、等)
- 規制:法律の整備(不正アクセス禁止法など)、警察による監視、民間の自主規制
- 倫理:個人の自覚・自律を高める(情報教育、啓蒙活動)
- 情報倫理
- インターネット社会(あるいは、情報社会)において、生活者がネットワークを利用して、互いに快適な生活をおくるための規範や規律
出典:情報教育学研究会 情報倫理教育研究グループ編(2014)「インターネットの光と影 Ver.5」
ソーシャルメディア(最新のトピックと諸問題)
- ソーシャルメディア
- ブログ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、動画共有サイトなど、利用者が情報を発信し、形成していくメディア。利用者同士のつながりを促進する様々なしかけが用意されており、互いの関係を視覚的に把握できるのが特徴。
- スマートフォン
- 従来の携帯電話端末の有する通信機能等に加え、高度な情報処理機能が備わった携帯電話端末。従来の携帯電話端末とは異なり、利用者が使いたいアプリケーションを自由にインストールして利用することが一般的。また、スマートフォンはインターネットの利用を前提としており、携帯電話の無線ネットワーク(3G回線等)を通じて音声通信網及びパケット通信網に接続して利用するほか、無線LANに接続して利用することも可能。
出典:総務省「平成26年度版 情報通信白書 用語集」 (2014.09.29).
次回までの宿題
- 問題
- 社会の情報化が進むことで、近年、どのような問題やトラブルが起こっていますか?
各種メディア(新聞、テレビ、雑誌など)から、
自分がとくに気になる問題やトラブルを1つ取り上げて具体的に紹介しなさい。
紹介する内容をまとめて、口頭で説明してもらいます(1人3分間)。
説明する形式は自由です。
資料を印刷してゼミの人数分用意してもよいですし、
PowerPointの資料を作って発表してもかまいません。
参考文献
- 情報教育学研究会 情報倫理教育研究グループ編「インターネットの光と影 Ver.5」, 北大路書房 (2014.02).
- 南田勝也・矢田部圭介・山下玲子「ゼミで学ぶスタディスキル」, 北樹出版 (2011.04).
- 学習技術研究会編著「知へのステップ 第3版」, くろしお出版 (2011.03).
- 藤田哲也編著「大学基礎講座 改増版」, 北大路書房(2006.03).