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第7回 学習活動の基本スキル(2)

レポートを書く(基礎編)

  • 感想文は、自分の気持ちや感情を書き表したもの(主観的な見方)
    • 心に残った文章とその理由を述べる
    • 「もし自分なら」「こういう状況なら」など仮定して考えてみる
  • レポートは、調査や研究の結果わかった『事実』と、それに基づく自分の『意見』をまとめたもの
    • 事実:内容が本当かどうか(真か偽か)客観的に確かめられる文
    • 意見:書き手の考え(判断、推測)をあらわした文(客観的な事実に基づく)

レポートを書く手順

  1. 大まかなテーマに関する基本的な情報を集める(新聞、インターネット、事典など)
    • テーマとなっている問題や課題について、全体像や大まかな内容を理解する
  2. 基本的な情報からより具体的なテーマを決める
    • 大まかなテーマの中から自分が興味を持てる具体的なテーマに絞り込む
  3. 具体的なテーマに関する文献をいくつか集める(専門図書、専門雑誌、論文など)
  4. 集めた文献を読んでレポートにまとめる

表紙のレイアウト

  • 担当教員名、開講曜日・時限、「授業名」レポート、レポートのテーマ名(必要であれば)
  • 提出日
  • 学部・学科名、学籍番号、氏名
    (表紙の例)
      担当教員:河野 稔
      水曜日 1時限
      「基礎ゼミ?」レポート
    
      2010年6月2日(水)提出
    
    
      健康科学部 健康システム学科
         H2101000  兵庫 太郎

レポート作成と提出時の注意

  • まずは「キャンパスガイド2010」の90ページで確認
  • 指定された提出日と時間、また書式などが指定されている場合は、必ず守る
  • 用紙は、とくに指定がなければA4サイズのレポート用紙(ルーズリーフは避ける)
  • 複数枚のレポートは、必ずページ番号を書いておき、ホッチキス止めは左上1か所または左側を2か所

正確な文章を書く

  • 文体は「である体」で書く
    • 普段の生活で使う「です・ます体」は使わない
  • 主語と述語の関係を明確にする
    • 「こそあど」言葉(指示代名詞)を多用しない、体言止めは使わない
  • 文章の長さは短めにする
    • 読点(、)が少ない文章で、あいまいな表現を避ける
  • 読点(、)は、動詞を含む部分が2つ以上ある場合は、その間に打つ
    • 読点で文章の意味をキチンと区切る
  • 漢字とひらがなを使い分けに注意する
    • 「言う」→「いう」
    • 「〜する時」→「〜するとき」
    • 「所謂」→「いわゆる」
    • 「特に」→「とくに」
    • 「故に」→「ゆえに」
    • 「時々」→「ときどき」
    • ○「いう」、×「ゆう」
    • ○「とおり」、×「とうり」
  • 接続詞を正しく使う
    • 結果・帰結:ので、から、だから、したがって、と、それで、すると
    • 逆説・対照:しかし、けれども、のに、ても、ところが
    • 追加・累加:たり、そして、また、なお、ところが
    • 言換・例示:つまり、すなわち、要するに、たとえば
    • 理由・補足:なぜなら、というのは、、ただし、もっとも
    • 話題の転換:さて、ところで
  • 数字の書き方を統一する
    • アラビア数字(1、2、3、…)なら半角文字で書く
  • 箇条書きを活用する
    • 内容を列挙したり分類するには便利で、要点がはっきりする

引用のしかた

  • 引用」とは、レポートや論文で、他の文献の意見や考えを紹介して、自分の意見を明確にする
  • 引用するときの一番の注意点は、どの部分が引用なのか、それがわかるように書くこと
    • 他人の意見を自分の意見のように書くことは、いわゆる「盗作」という犯罪になる
  • また「引用に自分の意見を語らせない」で、自分の意見を陰陽とは別に書く
  • また引用は、必要最低限にとどめる

引用のしかたには、いくつかのやり方があるが、一般的なやり方を説明する。

  1. 要約して引用:必要かつ十分な長さで要約する
  2. 短い引用(2行以内):引用文をカギカッコ(「」)でくくる
    安田は、人々から組織の関係をとらえるのに「現象から記号(すなわち)
    モデルを投資するような柔軟性を備えなければならない」と述べている。
    
  3. 長い引用(3行以上):引用文の前後に1行空けて、左側を2〜3文字分字下げする
     安田は、『ネットワーク分析』のなかで、次のように述べている。
    
       言葉をかえて言うならば、「行為者の行為を、個人的な属性からで
       はなく、その行為者を取り囲むネットワークによって説明する」た
       めの分析をおこなうのが、ネットワーク分析です。
    
    つまり……
    

なお、2番目と3番目の場合は、 一字一句正確に引用し、 勝手に加筆・訂正してはいけない。

「書評」を書いてみる

文献や資料を批判的に読んで(クリティカル・リーディング)、 それを元にある問題点について批判的に考える(クリティカル・シンキング)の練習として、 文献や資料の批評、「書評」をしてみましょう。

書評全体の構成は、次のようになります。

  • タイトル
    • 著者名「題名・書名」、発行所、発行年。
  • (1) 目的の提示 (全体の10%ほど)
    • どんなテーマの文献についての批評(コメント)なのか、著者がどんな議論をしているのか、内容について大まかに紹介する。
    • 以下で述べる手順について簡単に説明する。
  • (2) 要約 (全体の30〜40%ほど)
    • 文献やパラグラフ(段落)の順を追って、メリハリをつけて要約する。
      • まず、パラグラフを一文で要約。
      • パラグラフの要約をつなげたものを、さらに一文で要約。
      • 場合によっては、節→章の順に、要約していく。
    • キーワードやキーセンテンスについて説明をし、また、専門用語や重要な概念には解説をする。
  • (3) 問題提起 (全体の10〜20%ほど)
    • 著者の主張のうち、中心的・重要な話題を数点取り上げる。
      • 自分が関心を持った主張、重要と思われる意見をピックアップし、その理由や根拠を示す(ただ「関心がある」「面白い」ではダメ)。
    • それらに対しての自分自身の問題提起(疑問、反論、同意)を行う。
  • (4) 議論(全体の30〜40%ほど)
    • 自分で提起した問題について、議論を展開する。
    • 自分の主張を、別の例の提示や別の説明などを説得力のあるかたちで、論理的・実証的に説明する。
  • (5) まとめ(全体の10〜20%ほど)
    • 以上をまとめて要約し、結論づける。

参考文献

  • 学習技術研究会編著「知へのステップ 改訂版」, くろしお出版 (2006.10)
  • 専修大学出版企画委員会編「知のツールボックス」, 専修大学出版局 (2006.04).
  • 佐藤望編著, 湯川武, 横山千晶, 近藤明彦「アカデミック・スキルズ」, 慶応義塾大学出版会 (2006.10).
  • 小笠原喜博「大学生のためのレポート・論文術」(講談社現代新書 1603), 講談社(2002.04).
  • 河野哲也「レポート・論文の書き方入門 第3版」, 慶応義塾大学出版会 (2002.12).

今回の宿題(提出期限:次回の授業)

  • 今回配布した資料の書評を書いて提出すること
    • 使用する紙のサイズは、A4サイズ
    • 枚数は、2,3枚程度(ホッチキス止めはしないこと)
    • 1枚目の最初には、次のように書いておくこと
        「基礎ゼミI」レポート
      
        2010年6月9日(水)提出
      
      
        健康科学部 健康システム学科
           学籍番号  自分の氏名
    • 手書きでもワープロで印刷したものでもよい

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Last-modified: Tue, 11 Mar 2014 19:42:02 JST (3711d)