第6回「学習活動の基本スキル(1)」
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文献を読む ―クリティカル・リーディング(改良版)―
「どこが、何が、面白かったのか」「どうして面白いと思ったのか」
「他の本と比べてどんな特徴があるのか」など、
批判的・分析的に読む。
書評(クリティカル・レビュー)を書く
書評を通して、
自分なりのテーマと問題提起をして議論する仕方を学ぶ。
そして、知識の習得と、
自分独自のテーマ・問題の発見をする力を養う。
だいたい、800字程度にまとめる。
書評の内容
- タイトル
- 著者名「書名」、発行所、発行年。
- 「参考文献の示し方」の書式にしたがって書く。
- 目的の提示(全体の10%ほど)
- どんなテーマの文献についての批判なのか、著者がどんな議論をしているのか大まかに説明する。
- 以下で述べる手順について簡単に説明する。
- 要約(全体の30〜40%ほど)
- 文献やパラグラフ(段落)の順を追って、メリハリをつけて要約する。
- まず、パラグラフを一文で要約。
- パラグラフの要約をつなげたものを、さらに一文で要約。
- 場合によっては、節→章の順に、要約していく。
- キーワードやキーセンテンスについて説明をし、また、専門用語や重要な概念には解説をする。
- 問題提起(全体の10〜20%ほど)
- 著者の主張のうち、中心的・重要な話題を数点取り上げる。
- 自分が関心を持った主張、重要と思われる意見をピックアップし、その理由や根拠を示す(ただ「関心がある」「面白い」ではダメ)。
- それに対しての問題提起(疑問、反論、同意)を行う。
- 議論(全体の30〜40%ほど)
- 問題提起した内容について、議論を展開する。
- 別の例の提示や別の説明などを説得力のあるかたちで、論理的・実証的に説明する。
- まとめ(全体の10〜20%ほど)
参考文献の示し方
- 引用したり参考にした資料があれば、
その出典(情報の出所)を、
「参考文献」として書き出す
- 参考文献として示すのに必要な情報は、
奥付(巻末の、著者や出版社、出版地が書かれた部分)にある
- 複数の参考文献を書くときは、著者名の五十音順またはアルファベット順に並べる
- 参考文献の示し方には、分野や年代によって、いくつかの書き方があることに注意
- 単行本(単著、共著)
- 書式:著者名『書名』、出版社、出版年(西暦)。
- 例:安田雪『実践ネットワーク分析』、新曜社、2001年。
- 例:増田直紀、今野紀雄『複雑ネットワークの科学』、産業図書、2005年。
- 単行本(編著)
- 書式:編著者『書名』、出版社、出版年(西暦)。
- 例:佐藤嘉倫・平松闊編『ネットワーク・ダイナミクス』、勁草書房、2005年。
- 翻訳書
- 書式:原著者名『書名』、翻訳者名、出版社、出版年(西暦)。
- 例:アルバート=ラズロ・バラバシ『新ネットワーク思考』、青木薫訳、NHK出版、2002年。
- 雑誌論文・記事
- 書式:著者名「論文名・記事タイトル」『雑誌名』、巻・号、発行年(西暦)、ページ。
- 例:中山洋、大和雅俊、山口正二、玉田和恵、松田稔樹「情報ののぞき見を題材とした情報モラル指導教材へのVRの活用に向けた実験的研究」『教育システム情報学会誌』,
Vol.24 No.1、(2007年)、pp. 26〜34。
- インターネット上の情報
- 書式:著者名または発行者名「文書名」、URL(閲覧日:西暦での日付)。
参考文献
- 学習技術研究会編著「知へのステップ 改訂版」, くろしお出版 (2006.10)
- 専修大学出版企画委員会編「知のツールボックス」, 専修大学出版局 (2006.04).
- 佐藤望編著, 湯川武, 横山千晶, 近藤明彦「アカデミック・スキルズ」, 慶応義塾大学出版会 (2006.10).
- 小笠原喜博「大学生のためのレポート・論文術」(講談社現代新書 1603), 講談社(2002.04).
- 河野哲也「レポート・論文の書き方入門 第3版」, 慶応義塾大学出版会 (2002.12).