TITLE:第10回 レポートの書き方Ⅱ (2) *第10回 レポートの書き方Ⅱ (2) [#ubae18f0] **レポートを作成する [#hc93e149] ***レポートとは [#t8fe5ed1] -感想文は、自分の経験や自分の気持ち・感情を書き表したもの(主観的な見方) --印象に残った事柄・文章とその理由を述べる --「もし自分なら」「こういう状況なら」など仮定して考えてみる -レポートは、調査や実験の結果わかった『事実』と、それに基づく自分の『意見』をまとめたもの --事実:内容が本当かどうか(真か偽か)客観的に確かめられる --意見:書き手の考え(判断、推測)をあらわしている(客観的な事実に基づく) ***レポート作成の手順(タイトルの決定から資料の収集へ) [#c32dd7a5] +背景の把握 --大まかなテーマに関する基本的な情報を集める(新聞、インターネット、事典など) --テーマとなっている問題や課題について、全体像や大まかな内容を理解する +問題提起 --(与えられた)大きなテーマから、具体的なテーマに絞り込む --社会的な問題点や疑問点、興味・関心のあるの具体的な事柄、また明らかにしたいと思う事柄を明確にする +仮説の提示・主張 --それらの事柄への対応策・解決策に関する自分なりの考えを仮説として述べる --また、調査や研究の必要性やその方針を検討する +主題(表題)の決定 --問題提起や自分の仮説(主張)をもとに、その主張や内容が伝わる、具体的なタイトルを考える +資料の収集・整理 --問題とした事柄や自分の仮説(主張)を裏付けるような、資料を収集する --専門図書や雑誌・論文など、具体的なテーマに関する文献(先行研究、参考文献)を集めて、整理する +レポートの構成の検討、テーマの再検討 --集めた資料をもとに、レポート全体の構成(アウトライン)を検討する --集めた資料から、テーマをさらに絞り込んだり、考えなおしたり、再検討する **テーマを決める方策 [#n09a9488] +「よくわからない」ような言葉が、テーマの有力候補 --「興味があるだけ」ネタでは、思い込みがあったり、つまらないテーマになりがち +「問い」をたてる --テーマの中でできるだけ焦点を絞り込み、表題だけで主張や内容が伝わる、具体的な言葉を考える --「〜について」は駄目(「自分の主張=テーマへの問い」になっていない) --扱う問いは適切に(壮大すぎる問題、二者択一的な問題、専門的すぎる問題は避ける) +テーマは絞り込んでいく --基本的情報(背景、キーワード)→<社会的な問題、自分の興味・関心>→明らかにしたい課題(具体的テーマ) **アイデアをひき出す・整理する [#pe4d1474] アイデア(発想)をひき出したり整理する方法として、 以前紹介した[[マインドマップ>../4th]]のほかに、次の方法があります。 ***皆でアイデアをひき出す(ブレインストーミング:ブレスト) [#n4547d92] +与えられたテーマについて思いついたことを、カードや大型のポストイットに、1枚につき1件書く --「最低一人○件以上」という条件をつけるとよい +全員のカードやポスイットを、壁や模造紙などに張って、簡単に説明する +説明に対してはポジティブに反応し、反対意見がある場合は新しいアイデアとして提案する +他のひとの意見やアイデアを参考にして、新しいアイデアを出してもよい ***自分でアイデアを整理する(KJ法、親和法) [#tdcdf517] +ブレストをして出てきたアイデア全部を一覧できるようにする +アイデアの意味や特徴を確認しながら、似ているものを集める +集められたカードやポストイットのグループに、名前を付ける +グループに分けたアイデアを参考に、グループごとや全体について、最初からの作業を何回か繰り返す **参考文献 [#z2decf3c] -森時彦, ファシリテーターの道具研究会「ファシリテーターの道具箱」, ダイアモンド社 (2008.03). -石井力重「アイデア・スイッチ」, 日本実業出版社 (2009.07). -南田勝也・矢田部圭介・山下玲子「ゼミで学ぶスタディスキル」, 北樹出版 (2011.04) -学習技術研究会編著「知へのステップ 第3版」, くろしお出版 (2011.03) -中澤務・森貴史・本村康哲編「知のナヴィゲーター」, くろしお出版 (2007.04) |