TITLE:対応のある2組の平均値の差の検定 *対応のある2組の平均値の差の検定 [#s3bf14c6] **検定の対象 [#i36c0164] 対応のある(同じ母集団の)2組の標本について考える。それぞれの統計量は次のとおり。 --例えば、ある教育の前と後の効果、実験の前と後の結果の違いなどを調べる |CENTER:|CENTER:|CENTER:|c |~ |~標本1(前)|~標本2(後)| |~標本数|>|&mimetex(\normalsize n );| |~標本平均|&mimetex(\normalsize \bar{x}_1 );|&mimetex(\normalsize \bar{x}_2 );| **対応のある'''t'''検定 [#h1a6969b] -母集団が正規分布にしたがっていることを、一応前提とする ***帰無仮説と対立仮説 [#u7368b75] 対応のある2組の標本の平均に差があるかどうかを調べる。 -帰無仮説 &mimetex(\normalsize H_{0} ); は「2組の標本の平均に差はない」 : &mimetex(\normalsize \bar{x_1} = \bar{x_2}); -対立仮説 &mimetex(\normalsize H_{1} ); は「2組の標本の平均に差がある」 : &mimetex(\normalsize \bar{x_1} \neq \bar{x_2); ***検定統計量の算出 [#ced84f2a] -2組の標本のデータの差 &mimetex(\normalsize d ); を計算し、その差の標準偏差を算出する #mimetex(){{ s_d = \sqrt{ \frac{ \sum_{i=1}^n (d_i - \bar{d} )^2}{ n - 1 } } }} -t分布にしたがう、検定統計量 &mimetex(\normalsize t_0 ); を次の式から算出する #mimetex(){{ t_0 = \frac{ \bar{d} }{ \frac{s_d}{ \sqrt{n} } } }} **仮説の判定(両側検定) [#q81f9f97] -検定統計量 &mimetex(\normalsize t_0 ); と、自由度 &mimetex(\normalsize df = n - 1 ); 、有意水準 &mimetex(\normalsize \alpha ); の有意点の値(t分布表などから求める)を使って、判定をする --帰無仮説 &mimetex(\normalsize H_{0} ); を棄却 : &mimetex(\normalsize |t_0| > t_{(\alpha/2)}(n - 1)); ---「有意に差がある」「検定の結果、有意である」 ---「有意に差がある」「検定の結果、有意である」「平均に差がある」 --帰無仮説 &mimetex(\normalsize H_{0} ); を採択 : &mimetex(\normalsize |t_0| < t_{(\alpha/2)}(n - 1)); ---「有意に差はない」「検定の結果、有意でない」「差があるとはいえない」 ---「有意に差はない」「検定の結果、有意でない」「平均に差があるとはいえない」 **例題 [#h76b7ae0] -街頭で180人の人に「体重を教えてください」と声をかけたときに、答えた体重と本当の体重の差にについて、その差の平均は1.676kg、差の標準偏差は2.218kgであった。このとき、街頭で声をかけられて答えた体重と本当の体重に差はあるか? |