TITLE:対応のない2組の平均値の差の検定(母分散が既知) *対応のない2組の平均値の差の検定(母分散が既知) [#m467b232] **検定の対象 [#i7e1be8c] 対応のない(独立した)2つの母集団について考える。それぞれの母数は次のとおり。 |CENTER:|CENTER:|CENTER:|c |~ |~母集団1|~母集団2| |~母平均|&mimetex(\normalsize \mu_1);|&mimetex(\normalsize \mu_2);| |~母分散|&mimetex(\normalsize {\sigma_1}^2 );|&mimetex(\normalsize {\sigma_2}^2 );| |~標本の標本数|&mimetex(\normalsize n_1 );|&mimetex(\normalsize n_2 );| |~標本平均|&mimetex(\normalsize \bar{x}_1 );|&mimetex(\normalsize \bar{x}_2 );| **平均値の差のz検定 [#h1a6969b] -標本数の和が &mimetex(\normalsize n_1 + n_2 \geq 100); の場合にも使われることがある ***帰無仮説と対立仮説 [#u7368b75] 対応のない(独立した)2組の母集団の平均に差があるかどうかを調べる。 -帰無仮説 &mimetex(\normalsize H_{0} ); は「2組の母集団の平均に差はない」 : &mimetex(\normalsize \mu_1 = \mu_2); -対立仮説 &mimetex(\normalsize H_{1} ); は「2組の母集団の平均に差がある」 : &mimetex(\normalsize \mu_1 \neq \mu_2); ***検定統計量の算出 [#ced84f2a] -標本平均の差は、第1組の標本平均から第2組の標本平均の差になる #mimetex(){{ \bar{x}_1 - \bar{x}_2 }} -標本平均の差の分散は、各組の母分散を標本数で割ったものの総和になる #mimetex(){{ \sigma_{ \bar{x}_1 - \bar{x}_2 }^2 = \frac{ {\sigma_1}^2 }{n_1} + \frac{ {\sigma_1}^2 }{n_2} }} --なお、標本平均の差の分散の平方根をとったものを、「標本平均の差の標準誤差」という -これらの式から、標準正規分布にしたがう、検定統計量 &mimetex(\normalsize z_0 ); を次の式から算出する #mimetex(){{ z_0 = \frac{ \bar{x}_1 - \bar{x}_2 }{ \sqrt{ \frac{ {\sigma_1}^2 }{n_1} + \frac{ {\sigma_1}^2 }{n_2} } } }} ***仮説の判定(両側検定) [#q81f9f97] -検定統計量 &mimetex(\normalsize z_0 ); と、有意水準 &mimetex(\normalsize \alpha ); の有意点の値(標準正規分布表などから求める)を使って、判定をする --帰無仮説 &mimetex(\normalsize H_{0} ); を棄却 : &mimetex(\normalsize |z_0| > z_{(\alpha/2)}); ---「有意に差がある」「検定の結果、有意である」「平均に差がある」 --帰無仮説 &mimetex(\normalsize H_{0} ); を採択 : &mimetex(\normalsize |z_0| < z_{(\alpha/2)}); ---「有意に差はない」「検定の結果、有意でない」「平均に差があるとはいえない」 **例題 [#d649c14a] -ある製品の製造工程で、ある1週間に製造された製品200個の重さの平均は530g、標準偏差は6gであった。次の1週間に製造された製品180個の重さの平均は529g、標準偏差は5gであった。これらの結果から、それぞれの週に作られた製品の重さの平均に差はあるか? |