TITLE:標準化を用いた確率の計算 *標準化を用いた確率の計算 [#ua0303a2] **標準得点(標準正規分布の復習) [#pb83bb40] 平均が &mimetex(\normalsize \mu ); 、分散が &mimetex(\normalsize \sigma^2); の ''正規分布''から、 ''標準正規分布''を導くときに、次の式を用いて''標準化''を行います。 #mimetex(){{ z = \frac{ x - \mu }{ \sigma } }} このときの &mimetex(\normalsize z); を、 ''標準得点''(standardized score)といいます。 標準得点は、平均が0、分散が1の標準正規分布 &mimetex(\normalsize N(0,1)); にしたがいます。 #mimetex(){{ f(z) = \frac{1}{ \sqrt{2 \pi} } e^{ \frac{ z^2 }{ 2 } } }} **標準得点を使った確率の計算 [#h46cc708] 正規分布とみなされるデータを標準化すれば、 標準正規分布表を用いて、確率を計算することができます。 ***例題 [#d144203c] > 「高校3年生のAさんの身長は175cmである。 高校3年生のAさんの身長は175cmである。 Aさんが入学する、B大学の学生の身長について、 平均は182cmで、標準偏差は8.3cmである。 このとき、B大学の学生がAさんより身長が高い確率を求める。」 このとき、B大学の学生がAさんより身長が高い確率を求める。 < ***確率の求め方 [#jbfbdb3f] +まず、B大学の学生の身長を &mimetex(\normalsize x); として、 標準得点を計算する。 #mimetex(){{ \begin{eqnarray} z &=& \frac{ x - \mu }{ \sigma } \\[10] &=& \frac{ x - 182 } { 8.3 } \end{eqnarray} }} +標準得点 &mimetex(\normalsize z); は標準正規分布にしたがうので、 標準正規分布表を用いて、確率を求める。&br; 「身長が175cmより大きい」ということは、 標準得点が次のようになるということである。 #mimetex(){{ \begin{eqnarray} z &>& \frac{ x - 182 } { 8.3 } \\[10] z &>& \frac{ 175 - 182 } { 8.3 } \\[10] &>& -0.843\cdots \\[10] &\simeq& -0.84 \end{eqnarray} }} +したがって、「身長が175cmより大きい」確率 &mimetex(\normalsize P(z > -0.84}); は、標準正規分布表から &mimetex(\normalsize z = -0.84); の値を求めればよい。 +したがって、「身長が175cmより大きい」確率 &mimetex(\normalsize P(z > -0.84) ); は、標準正規分布表から &mimetex(\normalsize z = -0.84); の値を求めればよい。 #mimetex(){{ \begin{eqnarray} P(x > 175) &\simeq& P(z > -0.84) \\[10] &=& 1 - P(z \leq -0.84) \\[10] &=& 1 - P(z \leq 0.84) \\[10] &\simeq& 1 - 0.2005 \\[10] &\simeq& 0.80 \end{eqnarray} }} つまり、「B大学の学生がAさんより身長が高い確率」は約80%(0.8)となる。 |