TITLE:統計資料の尺度 *統計資料の尺度 [#l5b79885] **尺度とは [#z63635af] 「''尺度''」(scale)とは、 データの特徴に対して数値を対応させる基準のことです。 特徴別のデータの種類ともいえます。 尺度によって、計算(加減乗除)ができる/できないや、 用いることができる統計的手法が異なってきます。 **尺度の種類 [#n29dfe4a] ***量的データ(測れるデータ) [#dd4cab5a] -比尺度、または、比例尺度(ratio scale) --ゼロを基点とすることができる尺度 ---例)時間、速度、身長、体重、血圧など --0という値が「何もない」という原点として特別な意味をもつ --比率(データの掛け算・割り算)に意味がある ---ほとんどの統計量が意味を持ち、用いることができる分析手法が多い --データの加減乗除(+−×÷)ができる -間隔尺度(interval scale) --個々のデータのあいだに等間隔が保証されている ---例)温度、テストの点数、立位体前屈の測定値など測定・検査結果など --0という値が「何もない」状態を意味していない(値のひとつにすぎない) --差(データの引き算)だけに意味があるが、比率に意味がない --データの加減乗除(+−)ができる ---平均値、中央値、最頻値、標準偏差(データの偏り具合)といった統計量が意味を持つ ***質的データ(測れないデータ) [#z93aa65f] -順序尺度(ordinal scale) --順序に意味がある(大小、順序、方向) ---例)満足度、順位、等級、アンケート調査など --大小関係にのみ意味があり、差には意味がない --計算することはあまりできないが、中央値(順番の真ん中の値)が意味を持つ --心理学や教育学の調査・研究では、便宜上、間隔尺度とみなしてデータ解析する場合がある -名義尺度、または、類別尺度(nominal scale) --区別にのみ意味がある(いわゆる指標や分類) ---例)性別、血液型、国籍、人種、色、模様、都道府県など --データが数値であっても順番に意味はない --計算することはできない ***連続量と離散量 [#mb1146a1] -連続量(1.12, 2.04, 3.14,…) --飛び飛びの値を取らずに、値が連続的に変化する量 --例)温度、長さ、重さ、速さ -離散量(1, 2, 3,…) --飛び飛びに値が変化する量(少数の値をとらない) --例)人数、点数、順位、満足度のような評価値 --「離散量=質的データ」とは限らない(点数のように間隔尺度のデータもある) |