TITLE:対応のない2組の平均値の差の検定(母分散が未知で等しくない) *対応のない2組の平均値の差の検定(母分散が未知で等しくない) [#abcaaf36] **検定の対象 [#i36c0164] 対応のない(独立した)2つの母集団について考える。それぞれの母数は次のとおり。 ただし、母分散の値はわからない。 |CENTER:|CENTER:|CENTER:|c |~ |~母集団1|~母集団2| |~母平均|&mimetex(\normalsize \mu_1);|&mimetex(\normalsize \mu_2);| |~標本の標本数|&mimetex(\normalsize n_1 );|&mimetex(\normalsize n_2 );| |~標本平均|&mimetex(\normalsize \bar{x}_1 );|&mimetex(\normalsize \bar{x}_2 );| |~標本分散|&mimetex(\normalsize {s_1}^2 );|&mimetex(\normalsize {s_2}^2 );| なお、標本平均は不偏分散から求める。 #mimetex(){{ s^2 = \frac{1}{n-1} \sum_{i=1}^n (x_i - \bar{x})^2 }} **等分散の検定(F検定) [#m757343b] 等分散の検定の結果、&mimetex(\normalsize F_0 \geq F); ならば、母分散は未知で「等しくない」場合に、この検定を使う **Welchの検定 [#h1a6969b] -標本数の和が &mimetex(\normalsize n_1 + n_2 > 100); の場合にも使われることがある -2組の母集団の分散が2倍以上違う場合や、標本数が2倍上違う場合に使われることがあり、やや特殊な検定法である ***帰無仮説と対立仮説 [#u7368b75] 対応のない(独立した)2組の母集団の平均に差があるかどうかを調べる。 -帰無仮説 &mimetex(\normalsize H_{0} ); は「2組の母集団の平均に差はない」 : &mimetex(\normalsize \mu_1 = \mu_2); -対立仮説 &mimetex(\normalsize H_{1} ); は「2組の母集団の平均に差がある」 : &mimetex(\normalsize \mu_1 \neq \mu_2); ***検定統計量の算出 [#ced84f2a] -t分布にしたがう、検定統計量 &mimetex(\normalsize t_0 ); を次の式から算出する #mimetex(){{ t_0 = \frac{ \bar{x}_1 - \bar{x}_2 }{ \sqrt{ \frac{ {s_1}^2 }{n_1} + \frac{ {s_2}^2 }{n_2} } } }} -なお、自由度は次のように算出する(整数にならない場合は、小数点以下を切り捨て) #mimetex(){{ df = \left( \frac{ {s_1}^2 }{n_1} + \frac{ {s_2}^2 }{n_2} \right)^2 \div \left\{ \frac{ \left( \frac{ {s_1}^2 }{n_1} \right)^2 }{n_1 - 1} + \frac{ \left( \frac{ {s_2}^2 }{n_2} \right)^2 }{n_2 - 1} \right\} }} --自由度の計算が複雑なので、あまりおススメの方法とはいえない… **仮説の判定(両側検定) [#q81f9f97] -検定統計量 &mimetex(\normalsize t_0 ); と、自由度 &mimetex(\normalsize df); 、有意水準 &mimetex(\normalsize \alpha ); の有意点の値(t分布表などから求める)を使って、判定をする --帰無仮説 &mimetex(\normalsize H_{0} ); を棄却 : &mimetex(\normalsize |t_0| > t_{(\alpha/2)}(df)); ---「有意に差がある」「検定の結果、有意である」「平均に差がある」 --帰無仮説 &mimetex(\normalsize H_{0} ); を採択 : &mimetex(\normalsize |t_0| < t_{(\alpha/2)}(df)); ---「有意に差はない」「検定の結果、有意でない」「平均に差があるとはいえない」 **例題 [#db253e0d] -女子大学生にデートに臨むときのハイヒールの高さを聞いたところ、自分を「おしゃれ」と答えた24人のハイヒールの高さの平均は3.67cm、標準偏差は1.69cmであった。また、自分を「普通」と答えた48人のハイヒールの高さの平均は2.77cm、標準偏差は1.29cmであった。「おしゃれ」と答えた人たちと「普通」と答えた人たちとでハイヒールの高さに差はあるか? |