TITLE:関数の利用 *関数の利用 [#f5612489] **関数とは(再掲) [#n813bb08] 「関数」とは、数学の関数と同じような働きをします。 「''数字や文字など『値』を与えると、いろいろな『処理』をして、'' ''新しい値を『結果』として返す''」ような仕掛けのことです。 Excelには、数学、財務・会計、統計、データベースなど、 多くの関数が備えてあります。 #ref(2009/7th/auto_SUM/function.png,nolink,関数の例) > たとえば、自動販売機も関数に例えることができます。 自動販売機という「関数」に、お金と商品ボタンという「値」を与えて、 処理させると、ジュースやコーヒーという「結果」が返ってきます。 #pre(novervatim){{ 値(お金、商品ボタン)→COLOR(red):関数COLOR(black):(自動販売機)→結果(商品とおつり) }} < また、「値」が変わると、関数が返す「結果」は変わってきます。 > 自動販売機では、投入する金額や商品ボタンが違えば、でてくる商品やおつりの金額が変わってきます。 #pre(novervatim){{ 100円と「コーヒー」のボタン→COLOR(red):自動販売機COLOR(black):→コーヒー缶 500円と「紅茶」のボタン →COLOR(red):自動販売機COLOR(black):→紅茶缶とおつり(400円) }} < 関数の場合は、 数字や文字のデータだけでなく、セルの番地を値として与えることができます。 このような関数に与える値のことを「''引数''」といいます。 #pre(novervatim){{ 引数(数字や文字、他のセルの番地)→関数→結果 }} ***関数の使い方 [#ta3ed3f0] 関数は、具体的には、次のような計算式として入力します。 使い方(書式)や 引数の数は、関数によって変わります。 #pre(novervatim){{ =関数名(引数1, 引数2, 引数3, ...) }} セルに入力できる計算式は1つだけです。 しかし、いくつかの関数を組み合わせたい場合には、 ある関数の引数として別の関数を使う、関数の「''ネスト(入れ子)''」をします。 たとえば、関数Aの2番目の引数に関数Bを使う場合は、次のような計算式を入力します。 #pre(novervatim){{ =COLOR(red):関数A(引数A-1, COLOR(blue):関数B(引数B-1, 引数B-2, ...)COLOR(red):) }} ***Excelで利用できる関数の種類 [#bc3db9dc] Excelには、多くの関数を備わっています。 そのすべてを紹介するのは難しいので、 機能ごとの関数のグループの一覧を紹介します。 -財務関数 -日付/時刻関数 -数学/三角関数 -統計関数 -検索/行列関数 -データベース関数 -文字列操作関数 -論理関数 -情報関数 -エンジニアリング関数 -キューブ関数 **関数を利用した偏差値の計算 [#p46e3548] ***偏差値とは [#oa6e6073] 「''偏差値''」とは、全員の平均を50点として、 ある人の点数がそこからどのくらい離れているかを表す値です。 もしある人の点数が全員の平均と同じなら、偏差値は50点になります。 平均より低ければ50点未満に、平均より高ければ50点より高くなります。 偏差値は、次の式から求めることができます。 偏差値=(その受講生の点数−全体の平均)÷標準偏差×10+50 ここで、「標準偏差」とは全員の点数のばらつき具合を表す値です。 全員の点数がある点数に集中していれば標準偏差の値は低くなります。 ここで、「''標準偏差''」とは全員の点数のばらつき具合を表す値です。 全員の点数がある点(平均値など)に集中していると標準偏差の値は低くなります。 ***偏差値の計算 [#a3725e10] ここでは、 全科目の合計点(J列)の値をもとに、偏差値を求めてみましょう。 次のようにして、平均や標準偏差を求める関数を利用して、 数式を作ります。 +K3セルをクリックして選択する。 +次の数式を入力する(入力間違いに注意!) =(J3-AVERAGE(J3:J32))/STDEV(J3:J32)*10+50 +「Enter」キーを押すと、計算結果が表示される #ref(2009/7th/utilization_function/is0722.png,nolink,偏差値の計算) 上の数式は、偏差値を求める式をExcelの関数を使って作ったものです。 [[AVERAGE>../auto_SUM#vd5f1698]]関数は先ほど説明したので、 ''STDEV''関数について説明します。 > :STDEV(データに基づいて全体の標準偏差の推定値を返す) | --書式 : STDEV(数値1, 数値2, ...) --引数 : 数値1, 数値2, ... :データとする数値 --例:F1〜F10セルまでのセルの数値から標準偏差を計算する #pre(novervatim){{ =COLOR(red):STDEVCOLOR(black):(F1:F10) }} < ***偏差値の計算のコピー [#v75f31a1] K3セルの数式を、そのままコピーすると、 ''数式のなかのセル番地の部分がすべて変わってしまい、'' ''コピー先のセルでは計算がうまくいきません''。 まず、次の操作をして、K3セルの数式を少し書き換えます。 +K3セルをクリックして選択する。 +数式バーに表示された数式を、次のように変更する(入力間違いに注意!) #pre(novervatim){{ =(J3-AVERAGE(COLOR(red):$J$3:$J$32COLOR(black):))/STDEV(COLOR(red):$J$3:$J$32COLOR(black):)*10+50 }} +「Enter」キーを押すと、計算結果が表示される #ref(2009/7th/utilization_function/is0723.png,nolink,偏差値の計算) > 数式のなかのセル番地に「''$''」(ドルマーク)をつけることを、 絶対参照といい、 コピーしてもセル番地の部分が変わりません。 詳しくは、[[次に説明>../reference]]をします。 < 計算ができたら、[[オートフィル>../auto_fill]]機能を使って、 K3セルの数式をK4〜K32セルにコピーします。 +K3セルをクリックして選択する +選択した範囲の右下にある■(フィルハンドル)にマウスのポインタを合わせる +マウスのポインタが「+」に変わったら、K32セルまでドラッグする +ドラッグし終えると、K4〜K32セルまでに数式がコピーされて、偏差値が計算される **小数点以下の表示桁数の設定 [#y50aea7e] 偏差値(K列)の値の''小数点''の表示を調整します。 小数点以下第1位(例えば52.1)までを 表示するように設定します。 +K3〜K32セルをマウスでドラッグして範囲選択する +「ホーム」タブの「数値」グループにある「小数点以下の表示桁数を減らす」(右側)ボタンをクリックする --小数点以下の桁を増やすには「小数点以下の表示桁数を増やす」(左側)ボタンをクリックする #ref(2009/7th/auto_SUM/is0720.png,nolink,小数点以下の表示桁数の設定) +小数点以下第1位までが表示されるように調整する &br; ここまでできると、次のようになります。 #ref(2009/7th/utilization_function/is0724.png,nolink,途中経過) &br; &navi2(2011/6th,next);進んでください。 ---- #navi2(2011/6th,prev,toc,next) |