Excelで代表値と散布度を計算
数式の入力
Excelでは、セルに「数式」を入力することで、計算ができます。
数式を入力するときの基本的なルールは、次のとおりです。
- 最初は「=」ではじめる
- カッコ「()」を使って計算する順番を指定できる
- 四則演算が使える (半角で入力)
演算 | 数学での記号 | Excelでの記号 | 計算式の例 | 表示される結果 | 足し算 | + | + | =1+2 | 3 | 引き算 | − | - | =2-3 | -1 | 掛け算 | × | * | =4*5 | 20 | 割り算 | ÷ | / | =1/2 | 0.5 | べき乗 | ^ | ^ | =2^3 | 8 |
数式の入力例
たとえば、身長と体重のデータから人の肥満度をはかる指標である、
BMI(ボディマス指数)を計算する場合を考えてみましょう。
BMI=体重(kg)÷身長(m)の2乗
身長のデータがB2〜B11セルに、体重のデータがC2〜C11セルに入力されており、
それらから求めたBMIをD2〜D11セルに表示させるには、
次のように操作します。
- D2セルに次の計算式を入力する
=C2/((B2/100)^2) (「/100」としているのは、身長がcm単位のため)
- 「Enter」キーを押すと、計算結果が表示される
- D2セルの計算結果を、D3〜D11セルへコピーする
平方根、n 乗根の計算
- 正の平方根(√)を計算するには、SQRT関数を利用します。
- SQRT(平方根を計算する)
- 書式 : SQRT(数値)
- 引数 : 平方根を求める数値
- 例:A12セルの数値の平方根を計算する
=SQRT(A12)
- n乗根を計算する関数はないため、べき乗(^)を利用する
- 「n乗根の計算」は、「1/n のべき乗の計算」と同じ意味になることを利用する
- 例:A12セルの数値の4乗根 を計算
=A12^(1/4)
代表値を計算
平均値
- 算術平均は、AVERAGE関数を利用します。
- AVERAGE(平均値を計算する)
- 書式 : AVERAGE(数値1, 数値2, ...)
- 引数 : 数値1, 数値2, ... :平均を計算するセルの範囲
- 例:F1〜F10セルまでのセルの数値の平均値を計算する
=AVERAGE(F1:F10)
- 幾何平均は、GEOMEAN関数を利用します。
- GEOMEAN(正の数からなる配列またはセル範囲のデータの幾何平均を計算する)
- 書式 : GEOMEAN(数値1, 数値2, ...)
- 引数 : 数値1, 数値2, ... :平均を計算するセルの範囲
- 調和平均は、HARMEAN関数を利用します。
- HARMEAN(1 組の数値の調和平均を計算する)
- 書式 : HARMEAN(数値1, 数値2, ...)
- 引数 : 数値1, 数値2, ... :平均を計算するセルの範囲
中央値
- 中央値は、MEDIAN関数を利用します。
- MEDIAN(引数に含まれる数値の中央値を求める)
- 書式 : MEDIAN(数値1, 数値2, ...)
- 引数 : 数値1, 数値2, ... :中央値を計算するセルの範囲
- 例:F1〜F10セルまでのセルの中央値を求める
=MEDIAN(F1:F10)
四分位数
- 四分位数は、QUARTILE関数を利用します。
- QUARTILE(配列に含まれるデータから四分位数を抽出する)
- 書式 : QUARTILEE(配列, 戻り値)
- 引数 : 配列 :対象となるデータを含む配列(セルの範囲)
- 引数 : 戻り値 :戻り値として返す四分位数の内容を指定
- 戻り値: 0: 最小値
- 戻り値: 1: 第1四分位数(25%)
- 戻り値: 2: 第2四分位数(50%)=中央値
- 戻り値: 3: 第3四分位数(75%)
- 戻り値: 4: 最大値
百分位数
- 百分位数は、PERCENTILE関数を利用します。
- PERCENTILE(配列に含まれるデータから百分位数(%)を抽出する)
- 書式 : QUARTILEE(配列, 率)
- 引数 : 配列 :対象となるデータを含む配列(セルの範囲)
- 引数 : 率 :0〜1の値で、目的の百分位の値(パーセンタイル値)を指定
最頻値
- 最頻値は、MODE関数を利用します。
- MODE(引数に含まれるデータのなかで最も頻繁に出現する値を求める)
- 書式 : MODE(数値1, 数値2, ...)
- 引数 : 数値1, 数値2, ... :最頻値を計算するセルの範囲
- 例:F1〜F10セルまでのセルの最頻値を求める
=MODE(F1:F10)
散布度を計算
分散
- 分散は、VARP関数を利用します。
- VARP(引数を母集団全体と見なし、母集団の分散 (標本分散)を求める)
- 書式 : VAR(数値1, 数値2, ...)
- 引数 : 数値1, 数値2, ... :母集団に対応するセルの値、セルの範囲
標準偏差
- 標準偏差は、STDEVP関数を利用します。
- STDEVP(引数を母集団全体であると見なして、母集団の標準偏差を求める)
- 書式 : STDEVP(数値1, 数値2, ...)
- 引数 : 数値1, 数値2, ... :母集団に対応するセルの値、セルの範囲
不偏分散
- 不偏分散は、VAR関数を利用します。
- VAR(引数を正規母集団の標本と見なし、標本に基づいて母集団の分散の推定値 (不偏分散) を求める)
- 書式 : VAR(数値1, 数値2, ...)
- 引数 : 数値1, 数値2, ... :母集団の標本に対応するセルの値、セルの範囲
不偏標準偏差
- 不偏標準偏差は、STDEV関数を利用します。
- STDEV(引数を標本と見なし、標本に基づいて母集団の標準偏差の推定値を求める)
- 書式 : STDEV(数値1, 数値2, ...)
- 引数 : 数値1, 数値2, ... :母集団に対応するセルの値、セルの範囲
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