対応のない2組の平均値の差の検定(母分散が未知で等しくない)検定の対象対応のない(独立した)2つの母集団について考える。それぞれの母数は次のとおり。 ただし、母分散の値はわからない。
なお、標本平均は不偏分散から求める。 等分散の検定(F検定)等分散の検定の結果、 ならば、母分散は未知で「等しくない」場合に、この検定を使う Welchの検定
帰無仮説と対立仮説対応のない(独立した)2組の母集団の平均に差があるかどうかを調べる。
検定統計量の算出
仮説の判定(両側検定)
例題
考え方自分を「おしゃれ」と答えた女子大生と自分を「普通」と答えた女子大生のハイヒールの高さについて、答えた人数やハイヒールの高さの平均と標準偏差についてまとめると、次の表のようになる。
まず、母分散が等しいかどうかを調べるため、等分散の検定をする。 F分布にしたがう、等分散の検定の検定統計量は、次のようになる。 この値を、第1自由度が 、第2自由度が 、有意水準 の F 値を分布表から調べると、 となる。 検定統計量と比較すると、 となり、 2組の標本の母分散は等分散ではないと判断できるので、Welchの検定を用いる。 t分布にしたがう検定統計量 を求めると、 次のようになる。 次に、検定のための自由度を求める。 整数分だけを自由度として採用すると、 となる。 この検定統計量を両側検定で判定する。 有意水準 では、 自由度 のt値を分布表から調べると、 となり、 帰無仮説は棄却される。 つまり、有意水準 5% で仮説検定を行った結果、 「おしゃれ」と答えた人たちと「普通」と答えた人たちとでハイヒールの高さに差がある。 なお、有意水準 では、 となり、 やはり帰無仮説は棄却される。 |