コンピュータ演習(再) 第11回
- 今回のねらい
アプリケーションソフトを使ったWebページの作成を通じて、
Webページを作るためのアプリケーションソフトの機能やWebページの特徴を学習し、
コンピュータによる情報の共有のしかたを身につける。
Webページの作成
WebページとWebサイト
- Webページ
- WWW(World Wide Web)で扱う文書で、ブラウザに表示される情報のまとまりのこと。
文字だけでなく画像や音声、動画などを同時に扱うことができ、Webページ同士をハイパーリンクを使って、結びつけることができる。
- Webサイト
- Webページのまとまりのこと。または、それらがおかれているインターネットの場所。
Webページを1枚の紙とすれば、Webサイトは、紙のまとまりである、本に例えることができる。トップページとは、本の表紙や目次にあたり、そのサイトの入り口のことである。
- Webサーバ
- WebページやWebサイトを格納して、ネットワーク上に公開するコンピュータ。
ブラウザなどのクライアント(依頼主)からの要求にこたえて、Webページを提供するサーバ(提供者)である。
テキストファイルとバイナリファイル
- テキストファイル
- Webページは、テキストファイルです。
テキストファイルとは、文字データだけでできているファイルで、
コンピュータの環境に依存しないで情報を利用できるファイルの形式です。
どのようなコンピュータでも利用でき利便性が高いですが、
文字だけしか表現できないため情報の表現力があまりありません。
- バイナリファイル
- 画像ファイルやワープロ、表計算などのアプリケーションソフトで作成されたファイルは、バイナリファイルです。
文字だけではない画像や音声などの多様な情報を扱うことができます。
しかし、ソフトによってデータの保存形式が異なるので、コンピュータやソフトウェアが変わると、データが読めなくなってしまいます。
- テキストファイルとバイナリファイルを見分けるには
- テキストエディタでファイルを開けば、そのファイルがテキストファイルとバイナリファイルかが、わかります。
- テキストファイルであるWebページで、なぜ画像や音声が扱えるか
- Webページは、元になるHTMLファイル(テキストファイル)と、Webページの中で利用される画像ファイルや音声ファイルなどに分かれています。
HTMLファイルとは、HTML(Hyper Text Markup Language)というコンピュータ言語を書かれた文書のことで、画像や音声などのファイルへのリンク、ほかのHTMLファイルへのリンク、文書の論理的な構造や見栄えなどがHTMLを使って指定されています。
HTMLについては、次回から詳しく説明します。
Webページを作成する道具
Webページを作成するには、いくつかのソフトウェアが必要です。
- 編集ソフト
Webページを作成し、編集するためのソフトです。いくつかの種類があります。
- アプリケーションソフト
ワープロソフトなど、本来は別の目的に使用するソフトの中には、簡単なWebページを作るための機能があるものがあります。
- ホームページ作成ソフト
Webページを作成専用のソフトで、作成・編集するためのさまざまな機能をもっています。また、サーバへのデータの転送や画像データの作成・編集機能がある、高機能なものもあります。
- テキストエディタ
Webページはテキストファイルですので、専用のソフトがなくても作成することができます。Windowsの「メモ帳」やMacintoshの「Simple Text」でも、十分作成することができます。
- ブラウザ
作成中または完成したWebページのでき具合を、ブラウザを使って確認します。
なお、同じWebページでもブラウザによって見栄えが異なる場合があります。
これについては、あとで詳しく説明します。
- ファイル転送ソフト
作成したWebページをネットワークで公開するには、Webサーバに登録する必要があります。
Webサーバに作成したWebページを送ったり、逆にWebサーバから現在のデータを取り寄せるのに、ファイル転送(FTP)ソフトを使用します。
アプリケーションソフトによるWebページの作成
アプリケーションソフトを使うメリット・デメリット
- メリット
- 使い慣れているソフトでWebページを作ることができる
- ソフトがインストールされていなくても、内容を見ることができる
- いざという場合に備えることができる(どこでも見られる)
- デメリット
- ブラウザの種類やバージョンによって、見え方がかわる
- ソフト専用のデータなど、あまり必要のないデータが書き込まれる
- 「ほんとうの」Webページを作成するには、Webページ作成ソフトやエディタを使うのがよい
WordでWebページ作成
ワープロソフトであるMS Wordでは、簡単なWebページの作成機能があります。
これを利用して、Wordで作った文書をWebページに変換してみましょう。
- 保存用のフォルダを作成します。
「マイドキュメント」の中に、「1210」という名前のフォルダを作成してください。
- 表示のしかたを変更します。
メニューバーから「表示」→「Webレイアウト」を選択します。
- 背景の色やグラフィックを選びます。
メニューバーから「書式」→「背景」を選択します。
- メニューから色を指定すれば、その色で背景が塗りつぶされます。
- 「塗りつぶし効果」を選べば、グラデーションやパターン、テクスチャ(壁紙)を選ぶことができます。
- デザインやレイアウトを修正します。
Wordで作った文書は、紙に印刷するための文書です。
文字や図・表などのレイアウトは、紙に印刷するときにきれいに見えるように配置されています。
しかし、Webページはブラウザの大きさや利用者が指定する文字の大きさによって、レイアウトが変更されます。次のようなポイントに気をつけて、デザインやレイアウトを変更しましょう。
- 文字の位置が変わります。
とくに、中央揃えや右揃えでは、紙で印刷した状態とは大きく位置が変わる場合があります。また、行の最後の文字がずれたりすることがあります。
- 図や表の位置が変わります。
「図の書式設定」で「テキストの折り返し」を「行内」にしたり、表をつかって文字とのレイアウトを調整しましょう。
- リンクを設定できます。
リンクを設定して、ほかのサイトにジャンプできるようにしましょう。
リンクを設定したい文字を範囲指定して、メニューバーから「挿入」→「ハイパーリンク」を選びます。「アドレス」をリンク先のアドレスにして、「OK」ボタンをクリックします。
- Webページとして保存する
- メニューバーから「ファイル」→「Webページとして保存」を選びます。
- 「保存先」に、作成したフォルダを指定します。
- ファイル名に、半角文字で「profile」と入力します。
- 「保存ボタン」をクリックすれば、保存できます。
保存できたら、フォルダの中に「profile.htm」というファイルができあがります。
ブラウザで表示して確認してみましょう。
保存したファイルは、Wordで編集することができます。
Wordを起動してから、メニューバーの「ファイル」→「開く」で編集することができます。
PowerpointでWebページ作成
プレゼンテーションソフトのPowerpointでは、作成したスライドを、Webページ上のスライドショーに変換することができます。
- 保存用のフォルダを作成します。
「マイドキュメント」の中に、「1210」という名前のフォルダを作成してください。
- Webページとして保存する
- メニューバーから「ファイル」→「Webページとして保存」を選びます。
- 「保存先」に、作成したフォルダを指定します。
- ファイル名に、半角文字で「presen」と入力します。
- 「保存ボタン」をクリックすれば、保存できます。
保存できたら、フォルダの中に「presen.htm」というファイルができあがります。
ブラウザで表示して確認してみましょう。
保存したファイルは、Powerpointで編集することができます。
Powerpointを起動してから、メニューバーの「ファイル」→「開く」で編集することができます。
アプリケーションソフトを使うときの注意
- ファイル名は半角英数字
- Webページのファイル名は、半角英数字にしてください。
作成したWebページをWebサーバに公開するときに、全角文字や半角カタカナではアドレス(URL)として指定することができません。
- タイトルや見出しは、画像を利用して、目立たせる
- 紙やスライドとは違い、Webページとして画面上で見せるときには、タイトルが目立つような工夫をしましょう。Wordを利用しているのであれば、「ワードアート」を使うとよいでしょう。
- 画像は大きくしすぎない
- 大きな画像はウィンドウや画面の中では見づらいので、Webページの中では小さい画像を見せ、リンクを使って、クリックすると大きな画像が表示されるようにしましょう。
- 1ページあたりのボリュームをあまり多くしない
- スクロールする量が多いようなWebページは、いくつかのファイルに分割して、リンクを使って他の文書を見られるようにしましょう。
参考リンク
- とほほのWWW入門
- Academic HTML
- 0からHTML