*インターネット [#e2b8dd22] &br; &br; ---- &br; &br; **インターネットのしくみ [#r552f28e] -インターネットがどのように構成されているかがわかる -インターネットがどのように成長したかがわかる ***LANとインターネット [#j760e210] インターネットは、現在の私たちの生活に浸透し、 仕事に趣味にいろいろな場面で多くの人々に活用されています。 ここでは、そのしくみを見ていきましょう。 「ネットワーク」(Network)とは、 コンピュータ同士を通信回線で相互に接続したものです。 簡単で・即座に、情報の交換や共有をできます。 これに対して、ネットワークに接続しないで利用する状態を 「スタンドアロン」(Stand-Alone)といいます。 同じフロア・同じ建物・同じ敷地の中で構築されたネットワークを、 「LAN」(Local Area Network)といいます。 何十台・何百台ものコンピュータを、 通信回線と通信機器機器(ルータ、スイッチ、HUB等)で結び、 企業や学校などの組織や家庭内で情報を共有することができます。 世界中のさまざまな組織が持つLANが相互に接続された姿が、 「インターネット」(Internet)です。 まさに世界規模のネットワークで、 「ネットワークのネットワーク」と呼ばれることもあります。 実際にインターネットを構築しているのは、 企業や団体のLANではなく、 それらをまとめている「ISP」(プロバイダ:Internet Service Provider) や地域ネットワークなどの、大きなネットワークです。 <図:インターネットのしくみ> ***インターネットの歴史 [#p8ccb8e7] インターネットの歴史は、 1969年に開始された「ARPANET」という実験からはじまります。 アメリカ国防総省によって、全米の四つの大学・研究機関が参加して、 軍事目的でした。 次第に、目的が軍事からネットワーク研究に移り、 全米のさまざまな大学や企業が参加し、 全米に広がる巨大なネットワークとなりました。 「インターネットは昔は研究者のもの」といわれる所以です。 さらに、1990年ごろから商用プロバイダが登場して、 一般にインターネットが利用できるようになりました。 日本では、 1984年にJUNETに作られた、 学術・研究を目的としたネットワークが、最初になります。 その後、さまざまな全国規模のネットワークが作られ、 1984年に学術・研究を目的で作られたJUNETが国内最初のインターネット環境です。 その後、さまざまなネットワークが作られ、相互に結ばれました。 1993年に日本でも商用プロバイダが登場しました。 さらに、1995年にWindows 95が登場したことで、 日本でもインターネットが爆発敵に普及することになりました。 日本でもインターネットが爆発的に普及することになりました。 &br; &br; ---- &br; &br; **インターネットの技術 [#n1c66429] -IPアドレスやドメイン名のしくみや役割がわかる -TCP/IPやクライアント・サーバなど基本となる技術がわかる ***IPアドレス [#tf2f8da5] 多くのコンピュータがネットワーク上で通信をするには、 自分自身と通信相手がネットワークのどこにいるかがわかるための、 個別の識別情報がコンピュータに必要となります。 その識別番号が「IPアドレス」で、電話番号のようなものです。 IPアドレスは、インターネットに接続している、 全世界のコンピュータに割り当てられるため、 「ICANN」(http://www.icann.org/)という国際的な機関を中心に管理されています。 IPアドレスは、 実際には、32ビット(2進数で32桁)の数字で表されたものを、 8ビットずつをピリオド(.)で区切り、10進数であらわします。 その組み合わせは、40億以上です。 例:172.30.10.43, 202.244.76.210 最近では、多くの組織がインターネットに参加してきたため、 割り当てられるIPアドレスが枯渇してきました。 そのため、それを解消するIPv6という技術が日本を中心に開発されています。 ***ドメイン名 [#q4ac84ad] IPアドレスのような数字の組み合わせを覚えるのは、 人間には大変なことです。 郵便で使う「住所」のように、 コンピュータの名前や位置情報を、 人間が覚えやすい文字列であらわしたものが、 「ドメイン名」です。「インターネット上の住所」です。 IPアドレスとドメイン名を対応させるシステム(DNS)によって、管理されています。 なお、ドメイン名を管理する中心的な組織も、「ICANN」です。 <図> ドメイン名の例) www.hyogo-dai.ac.jp ^^^ ^^^^^^^^^ ^^ ^^ 第4レベル 第3レベル 第2レベル トップレベル ドメイン名は、ピリオド(.)で区切られた文字列で構成されています。 それぞれの文字列は、右側から見ていくことで、 国→組織属性→組織名のように、 コンピュータの位置を特定することができます。 ドメイン名は、階層的に分類できます。 トップレベルドメイン(TLD)には、 分野別の「gTLD」と国別の「ccTLD」の2種類あります。 gTLDには、「.com」「.net」など世界の誰もが利用できるものと、 「.edu」「.gov」などアメリカの組織が利用できるものがあります。 ccTLDは、各国や地域に割り当てられたもので、「.jp」や「.uk」などがあります。 ccTLDの左の部分は、 「.ac」「.co」などの組織の種別や「.hyogo」などの地域をあらわします。 さらにその左の部分は、組織名をあらわし、 申請する機関によって決めることができます。 組織名より左の部分は、コンピュータの名前や、 その組織が自由に決められるサブドメインという部分です。 トップレベルドメインの例(一部) |ccTLD|国名 |gTLD|種類 |h |jp |日本 |edu |アメリカ教育機関| |uk |イギリス|com |企業 | |kr |韓国 |gov |アメリカ政府機関| |cn |中国 |net |ネットワーク組織| |de |ドイツ |org |非営利団体 | 組織属性の例(一部) |組織属性|種類|h |ac |学術・研究機関| |ed |小中高等学校など| |co |企業| |ne |ネットワーク組織(プロバイダなど)| |go |政府| |or |非営利団体| |gr |グループ| ***TCP/IP [#zad264e3] インターネットに接続されたコンピュータ同士が、 情報交換するときに使用する手続きのことを、 プロトコル(通信規約)といいます。 ネットワーク上での共通語のようなものです。 プロトコルにはいろいろな種類がありますが、 インターネットではTCP/IPが使用されます。 TCP/IPでは、データをパケットという単位に分割して、送受信します。 ***クライアントとサーバ [#x1df1aaa] ネットワーク上で利用できる機能を、「サービス」といいます。 インターネットでのサービスは、 コンピュータを「クライアント」と「サーバ」という2つの役割にわけることで、 提供されています。 「クライアント」(依頼者)は一般の利用者が使用するパソコンなどです。 ネットワークを通じて、 クライアントは「サーバ」(提供者)というコンピュータに 処理を要求します。 サーバは、クライアントからの要求を自分の中で処理して、 その結果をクライアントに返します。 クライアントは受け取った結果を処理して利用者に表示します。 最近は、 コンピュータ同士で役割をわけず、 お互いに同等にデータを処理する、 「P2P」(ピー・ツー・ピー)という方法もあります。 とくに、ファイル交換などに利用されます。 &br; &br; ---- &br; &br; **インターネットへの接続 [#dd3bafac] ***プロバイダ [#vccd5bde] ***通信回線 [#e421a594] ***家庭内LANの構築 [#r0605049] -通信回線の種類や特徴について理解できる -プロバイダについて理解できる -家庭内LANについて理解できる ***常時接続とブロードバンド [#l7475d03] 自宅などからインターネットに接続するには、 まず通信回線が必要です。 「ダイアルアップ接続」は、 一般の電話回線(アナログ回線)やISDN(デジタル回線)を利用した接続方法です。 モデムやTA(ターミナル・アダプタ)という機器が必要で、 接続時間分の料金がかかります。 通信速度は遅く、Webなどの利用にはとても時間がかかります。 また、携帯電話やPHSを利用した接続方法もあります。 基本的に、接続時間分の料金がかかり、 通信速度はそれほど速くありません。 このような比較的遅い通信回線を「ナローバンド」といいます。 **インターネットでの情報の場所 [#z1ad2ddb] インターネットには、多くのコンピュータやネットワーク機器が接続され、さまざまな形式の情報が蓄積されています。情報を交換し共有するには、情報を蓄積しているコンピュータや情報そのものの場所を知る必要があります。 現実の世界では住所・郵便番号や電話番号などで場所を特定することができますが、インターネットでは次の2つのしくみを使ってコンピュータの場所を特定することができます。 これに対して、数M〜100MBの高速な通信回線を「ブロードバンド」といいます。 Webはもちろん、音楽や映像データも気軽に利用できます。 一般の電話回線を利用した「DSL」(ADSLが有名)や、 各家庭を光ファイバーで結んだ「FTTH」(Fiber To The Home)があります。 それぞれ、DSLモデムやONUなどの機器が必要です。 また、料金は通信時間に関係なく、定額であるのも特徴です。 ケーブルテレビ(CATV)を利用した接続や、 次世代の携帯電話・PHSを利用した接続も、かなり高速です。 ***IPアドレス [#g84d9a0a] インターネットに接続されたコンピュータやネットワーク機器を一意に識別する(ほかに同じアドレスを持つものがない)ためのものが、IPアドレスです。IPアドレスはインターネットに接続しているすべてのコンピュータが持っていますので、IPアドレスがわかれば確実にそのコンピュータアクセスすることができます。次のように、ピリオド(.)で区切られた四つの数字の組み合わせであらわします。 ただし改定向けの通信回線は「ベストエフォート」といって、 混雑や障害の状況によって必ずしも宣伝どおりの速度が保障されてはいません。 例:202.244.76.210 |>|通信回線|種類|通信速度(理論値)|h |ナローバンド |アナログ回線、ISDN|電話回線 |56〜64kbps| |ブロードバンド|ADSL |電話回線 |1.5〜50Mbps程度| | |FTTH |光ファイバー|10〜100Mbps| | |ケーブルテレビ |CATV |1.5〜30Mbps程度| 実際には、32ビット(2進数で32桁)の数字で表されたものを、8ビットずつをピリオドで区切り、10進数であらわします。 また、多くの組織がインターネットに参加してきたため、最近IPアドレスが枯渇してきました。現在、それを解消するIPv6という技術が日本を中心に開発されています。 ***ドメイン名 [#xa425613] 文字を使ってインターネット上の場所をあらわすためのものが、ドメイン名やホスト名です。一般に「インターネットのアドレス」として普及しているのは、これです。コンピュータのある場所や組織をあらわすように、次のようなピリオドで区切られた文字列の組み合わせであらわされます。 ***プロバイダ [#vccd5bde] 通信回線が用意できたら、 次に必要なのは「プロバイダへの加入」です。 例:skanda.ed.hyogo-dai.ac.jp 「プロバイダ」とは、インターネットへの接続をサービスとして提供する企業です。 プロバイダのネットワークを通じてインターネットに接続し、 電子メールやWebの閲覧などのサービスを利用することができます。 一般家庭だけでなく企業や学校なども、 まずプロバイダに加入する必要があります。 ピリオドに区切られた部分を右から順にみることで、場所や組織がわかります。一番右の部分をトップレベルドメインといい、次のいずれかになります。 プロバイダでは、インターネットへの接続だけでなく、 電子メールや個人のWebサイト・ブログの開設などのサービスや、 インターネットを利用するためのサポートを提供してくれます。 ・ 国コード 国の名前をアルファベット2文字で表します。 ・ ジェネリックトップレベルドメイン(gTLD) 組織の種類をアルファベット3文字以上で表します。 右から2番目の部分は、1番目が国コードの場合には、アルファベット2文字の組織属性コードとなります。gTLDや組織属性の左隣は、組織名となります。ここまでを一般にドメイン名といい、登録を承認する機関によって決められます。組織名より左の部分はその組織が自由に決められるサブドメインという部分です。一番左が、コンピュータの名前です。先に挙げた例は次のように解釈することができます。 jp 日本(国コード) ac 大学・研究機関(組織属性コード) hyogo-dai 兵庫大学(組織名) ed 教育目的(サブドメイン) skanda コンピュータ名 国コード 国名 gTLD 種類 jp 日本 edu アメリカ教育機関 uk イギリス com 企業 kr 韓国 gov アメリカ政府機関 cn 中国 net ネットワーク組織 de ドイツ org 非営利団体 組織属性 種類 ac 学術・研究機関 ed 小中高等学校など co 企業 ne ネットワーク組織(プロバイダなど) go 政府 or 非営利団体 gr グループ ***家庭内LANと無線LAN [#r0605049] 一般家庭で複数のコンピュータからインターネットを利用するには、 ネットワーク、つまり「家庭内LAN」を作る必要があります。 家庭内LANに必要なものが、「ルータ」です。 ルータは、インターネットと家庭内LANとの間の通信を制御したり、 複数のコンピュータが接続できるように、いくつかの通信ポートを持っています。 IPアドレスとドメイン名を対応させるしくみを、DNS(Domain Name System)といいます。ドメイン名は人にはわかりやすいですが、コンピュータにとってはIPアドレスのほうが扱いやすいため、このようなシステムを利用します。 家庭内LANを作るには、 パソコンとルータをネットワークケーブルで接続する必要があります。 しかし、うまく配線できなかったり、 ノートパソコンでいろいろな部屋で使いたい場合があります。 「無線LAN」を使えば、このような問題は解消されます。 通信速度が10〜50Mbpsほどあるので、 音楽や映像データも利用できます。 IPアドレスやドメイン名は、インターネット上で情報を特定するために必要不可欠なものです。そのため個人や組織が勝手に利用できないよう、管理する組織が存在します。インターネットレジストリという組織で世界各国にあります。利用者はインターネットレジストリに申請することで、自分たち専用のIPアドレスを取得し、ドメイン名を使用することができます。 家庭内LANを作るときには、セキュリティに気をつけなければなりません。 ルータには、たいてい、 「ファイアウォール」という不正な通信を遮断する機能があります。 また、無線LANの場合は、電波さえ届けば誰でも利用できる可能性があるので、 許可されたパソコンだけが接続できるように設定しておくべきでしょう。 日本では、日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)が中心となって、日本に割り当てられたIPアドレスやドメイン名を管理しています。 |