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情報教育演習II 第10回

Webとハイパーテキスト

「ハイパーテキスト」と「ハイパーリンク」

「本」という文書(テキスト)は、 1ページ目から、順番に、書かれ読まれます。

ハイパーテキスト(Hyper Text)とは、 ある文書の中に他の文書への「位置情報」を埋め込むことで、 文章同士を相互に結びつけることができる、 コンピュータを利用した文書のひとつです。 テキスト(Text)を超える(Hyper)、というところから名づけられました。

ハイパーリンク(Hyper Link)とは 他の文書や様々な情報(画像、音声、動画など)への位置情報のことです。 リンク(Link)ともいいます。

ハイパーテキストを使えば、 膨大な情報を、順番に読む必要はなく、 ハイパーリンクを利用して効率的に情報にアクセスすることができます。

ハイパーテキストの特徴

  • それぞれの情報は、リンクで結びついている
    • 必ずしも順番に並んでいない
  • それぞれの情報は、(ある程度は)内容が独立している
    • 本のように「前に書いてあること」を考慮しない
  • それぞれお情報は、独立して作成・管理される
    • 本のように、紙の上に情報が張り付いていない

Webページの作成

Webページを作成する道具

Webページを作成するには、いくつかのソフトウェアが必要です。

編集ソフト
Webページを作成し、編集するためのソフトです。いくつかの種類があります。
  • アプリケーションソフト
    ワープロソフトなど、本来は別の目的に使用するソフトの中には、簡単なWebページを作るための機能があるものがあります。
  • ホームページ作成ソフト
    Webページを作成専用のソフトで、作成・編集するためのさまざまな機能をもっています。また、サーバへのデータの転送や画像データの作成・編集機能がある、高機能なものもあります。
  • テキストエディタ
    Webページはテキストファイルですので、専用のソフトがなくても作成することができます。Windowsの「メモ帳」やMacintoshの「Simple Text」でも、十分作成することができます。
ブラウザ
作成中または完成したWebページのでき具合を、ブラウザを使って確認します。 なお、同じWebページでもブラウザによって見栄えが異なる場合があります。 これについては、あとで詳しく説明します。
ファイル転送ソフト
作成したWebページをネットワークで公開するには、Webサーバに登録する必要があります。 Webサーバに作成したWebページを送ったり、逆にWebサーバから現在のデータを取り寄せるのに、ファイル転送(FTP)ソフトを使用します。

テキストエディタを使うメリット・デメリット

メリット
  • HTMLなどのWWWに関する技術の勉強になる
  • 余計なデータが勝手に書き込まれない(見やすいファイル)
  • ブラウザによる表示の違いなどを意識して作成できる
デメリット
  • HTMLなどのWWWに関する技術をある程度理解する必要がある
  • 作業に慣れるまで、作るのに時間がかかる
  • 専用ソフトとは違い...
    • HTMLを自分で入力しなければならない
    • 入力中に出来上がりを確認できない(ソフトの切り替えが必要)

HTML : Hyper Text Markup Language

HTMLとは

HTML(Hyper Text Markup Language)は、 WWW(World Wide Web)上で、ハイパーテキストを利用して情報を発信するための、 コンピュータ言語のひとつです。 W3C(World Wide Web Consortium)が仕様を発表しています。

特徴は次のとおりです。

  • ハイパーテキストの機能をもつ
    • 他の文書や情報へのリンクを作ることができる
  • 文書の中に、構成要素をあらわす目印(マーク)をつけることができる
    • 目印をコンピュータが解釈して、適切な表現で表示する
    • 例(1)「○○から××までを見出しにする」
    • 例(2)「○○から××までを太字にする」
    • 例(3)「○○の部分をほかの情報へのリンクにする」

HTMLは、数年おきに、新しいバージョン(版)に更新されています。 現在のバージョンは、HTML4.01です。

  • HTML 1.0 (1993年)
  • HTML 2.0 (1995年)
  • HTML 3.2 (1997年)
  • HTML 4.0 (1997年、1998年)
  • HTML 4.01 (1999年)
  • XHTML 1.0 (2000年、2002年)
  • XHTML 1.1 (2001年)

HTML文書とブラウザ

HTML文書とは、HTMLで書かれた文書のことです。(HTMLファイルともいう) ファイル名は必ず半角文字で、拡張子は「.html」か「.html」になります。

+----------+ (解析) +==========+ (表示) +-----------+
| HTML文書 |------->| ブラウザ |------->| Webページ |
|__________/        +==========+        |___________/

Webサーバ上にあるHTML文書を、ブラウザが内容を解析して、 Webページとして適切な表示をします。

ただし、HTML文書に書かれた、文書構造の目印の表現のしかたが、 ブラウザによって多少異なります。 また、ブラウザがどのHTMLのバージョンに対応しているかによっても、 表示のできる範囲が変わってしまいます。 現在の主なブラウザは、次のとおりです。

  • Internet Explorer(マイクロソフト)
  • Mozilla, Firefox(The Mozilla Organization)
  • Opera (Opera Software、ライブドア)

HTMLの書き方

  • タグ(tag)
    • 文章に意味や表示の仕方を指定するために使うマークを使う
      • 「<」と「>」で囲まれた文字列(タグ名)
      • タグ名は半角文字で、大文字と小文字の区別なし
    • 開始タグ(<...>)と終了タグ(</...>)で囲まれた部分が指定される
      <h1>今回の内容</h1>
      • 終了タグのないものもある
        <hr>, <br>
    • タグの入れ子ができる
      • 字下げを使って、タグの組み合わせがわかりやすく
        <body>
          <p>
            この中は<b>段落</b>です。
          </p>
        </body>
  • 属性(attribute)
    • タグの機能を細かく設定するもの(属性のないタグもある)
      • 文字の大きさや色、線の太さや色など
    • 複数の属性を指定することができる(属性名="値")
      これは<font size="5" color="red">重要</font>です。

HTMLファイルの構造

HTMLファイルの構造は、たいてい次のようになっています。

<html>
<head>
  <title>タイトル</title>
</head>
<body>
  コンテンツ
</body>
</html>
  • <html>...</html>(HTML要素)
    • そのファイルがHTML文書であることを示す
  • <head>...</head>(ヘッダ要素)
    • HTML文書の情報(本でいえば、題名や著者、発行日など)
  • <title>...</title>
    • Webページのタイトル名(タイトルバーに表示)
  • <body>...</body>(ボディ要素)
    • Webページとして表示される内容(コンテンツ)

空白と改行の扱い

  • 空白
    • 半角スペースは、何文字入力しても、ブラウザでは一文字の空白文字として表示
    • 全角スペースは、入力した数だけの空白文字(全角)としてて表示
  • 改行
    • <br>タグで改行する位置を指定する
      • HTMLファイルの中で改行しても、ブラウザでは一文字の空白文字として表示
    ここで改行します<br>ここで改行します

記号の入力

「<」は「>」などは、タグなどのHTMLが使用する記号とみなされてしまいます。 そこで、次のようにして、一部の記号を入力します。

記号HTMLでの入力
&lt;
&gt;
&amp;
&quot;
(空白)&nbsp;

HTML文書の作成

雛形の作成

  • まず、Webページを保存するフォルダを作成しましょう。
    • 「マイドキュメント」の中に、「public_html」というフォルダを作成してください。
  • メモ帳を使って、次のような雛形を作りましょう。
    <html>
    <head>
      <title>Welcome to My Web Page!</title>
    </head>
    <body>
    
    </body>
    </html>
  • <title>...</title>
    • Webページのタイトルを設定します。
  • タイトルに「「わたし」の街」と設定してください。

見出し

  • <hn>...</hn>(nには1〜6の数字が入る)
    • 見出しを設定します。
    • 大きさが最も大きいh1から、最も小さいh6までの6段階あります。
      • 本で例えると、h1は題名や章見出し、h2は節見出し、h3は項見出し
  • 次のように見出しを設定しましょう。
     <h1>「わたし」の街</h1>
     <h2>はじめに</h2>
     <h2>メニュー</h2>

段落と改行

  • <p>...</p>
    • 段落を設定します。
    • ひとまとまりの(意味のある)文章に使います。
    • 改行や連続した半角文字の空白は、半角文字の空白一文字にしかならないことに注意しましょう。
  • <br>
    • 改行を設定します。
    • 段落のなかで、強制的に改行するときに使います。
  • 「<h2>はじめに</h2>」のあとに、次のように入力しましょう。
     <p>このWebページは、「情報教育演習II」の授業で作成したものです。</p>
  • 「<h2>メニュー</h2>」のあとに、次のように入力しましょう(○○には自分の名前や出身地を入力)。
     <p>
       ここでは「わたし」○○が育った<br>○○県○○市について紹介します。
     </p>
  • 「</body>」の前の行に、区切り線を入れましょう。

文書の装飾

  • <b>...</b>
    • 太字を設定します。
  • <i>...</i>
    • 斜体を設定します。
  • <tt>...</tt>
    • 等幅フォントを設定します。
  • 自分の名前や出身地の名前を太字や斜体に設定してみましょう。
    <b>兵庫 太郎</b>, <i>兵庫県加古川市</i>

箇条書き

  • <ul>...</ul>、<ol>...</ol>
    • 箇条書きを設定します。
    • ulタグは番号なし、olタグは番号つきの箇条書きに使います。
  • <li>...</li>
    • 箇条書きの中の項目を設定します。
    • liタグは、次のようにul、olのタグの中の項目に使います。
       <ol>
         <li>ひとつめ</li>
         <li>ふたつめ</li>
       </ol>
  • <dl>...</dl>, <dt>...</dt>, <dd>...</dd>
    • 説明つき箇条書きを設定します。
    • dlタグの中に、項目名(dtタグ)とその説明(ddタグ)を書きます。
       <dl>
         <dt>項目1</dt>
         <dd>項目1の説明</dd>
         <dt>項目2</dt>
         <dd>項目2の説明</dd>
       </dl>
  • 「〜ついて紹介します。</p>」のあとに、次のように入力しましょう。
     <ul>
       <li>「わたし」について</li>
       <li>「街」について</li>
       <li>「わたし」と「街」</li>
     </ul>

リンク

  • <a href="...">...</a>
    • 他のWebページにジャンプするリンクを設定します。
    • 「href="」と「"」の間にリンク先のURLを指定し、「">」と「</a>」の間にリンクさせる文字を設定します。
    • 次のようにすると、Yahoo! JAPANにジャンプします。
      <a href="http://www.yahoo.co.jp/">Yahoo! JAPAN</a>
    • 次のようにすると、メーラーが起動して、hoge@aaa.bbb.cc.jpへのメールを送るウィンドウが開きます。
      <a href="mailto:hoge@aaa.bbb.cc.jp">メールはこちらへ</a>
  • 「<hr>」の下の行に、次のように大学のサイトへのリンクを設定しましょう。
     <a href="http://www.hyogo-dai.ac.jp/">兵庫大学のページへ</a>
  • 箇条書きの項目に、次のようなリンクを設定してください。
    • 「わたし」について:prefile.htmlへのリンク
    • 「街」について:town.htmlへのリンク
    • 「わたし」と「街」:memory.htmlへのリンク

行の位置揃え

  • <div align="揃えかた">〜</div>
    • 行をそろえる位置を指定します。揃え方には、「left」「center」「right」があります。
    • 「align」という属性は、<h>や<p>属性にも使えます。
      <div align="right">hogehoge1</div> 
      <div align="center">hogehoge1</div> 
      <h1 align="center">hogehoge1</h1> 
      <p align="center">hogehoge1</p> 

水平線

  • <hr>
    • 文章を区切る、水平線(横罫線)を設定します。
    • 「width="」と「"」の間に、長さをパーセントで指定することができます。
      <hr>
      <hr width="80%">

署名

  • <address>...</address>
    • 制作者の名前やメールアドレスなどの連絡先、著作権に関する情報を設定します。
  • </body>の前の行に、次のように入力してください(○○は自分のメールアドレス)。
     <hr>
     <address>
     制作年月日: 2004-06-22; 更新年月日: 2004-06-29<br>
     <a href="mailto:○○">○○^</a>
     </address>

参考リンク


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Last-modified: Tue, 11 Mar 2014 20:20:22 JST (3699d)