Top > Install Log > CentOS6 > MySQL_repl
AND OR

MySQLでのレプリケーションの設定

レプリケーションとは

通常、データベースを別のサーバに複製することを、「レプリケーション」という。 レプリケーションのメリットは、次のとおり。

  • データベースのバックアップ
  • データベースの冗長化
  • サーバの負荷分散

MySQLは標準でレプリケーション機能を備えているが、 その方式は「マスタ-スレーブ方式」で、 データベースの更新を受け付ける「マスタ」と、 マスタから伝搬されたデータを受け付ける「スレーブ」からなる、 一方通行の複製になる。

細かいことは、参照先のページを見ること。

今回の目的

まったく同一構成の2台のマシンがあるので、 1台をマスタ、もう1台をスレーブにして、 データベースのバックアップと冗長化をはかる。

レプリケーション用のユーザの作成

スレーブがマスタに接続するための専用ユーザを、マスタで作成する。 与える権限は「REPLICATION」「SLAVE」のみ。 今回は、ユーザ名「repl」、パスワード「password」で、 どのコンピュータからの接続も受け付ける('%')ようにする。

master# mysql -u root -p
...
mysql> GRANT REPLICATION SLAVE ON *.* TO repl@'%' IDENTIFIED BY 'password';

マスターのデータをスレーブにコピー

マスターの全データを、スレーブにコピーする。

今回は、稼働中のデータベースにレプリケーションを設定するため、 次のようなややこしい操作をする。 詳細は、参考に書いたページを見ること。

  1. マスタになるよう、設定ファイル(/etc/my.cnf)に追加する
    [mysqld]
    log-bin
    server-id=1
  2. MySQLを再起動する
  3. マスタで、tarコマンドを使って全データのバックアップをとる
    master# cd /var/lib/mysql
    master# tar cpf /var/tmp/mysql-snapshot.tar .
  4. マスタで、すかさずmysqlコマンドを使って、データベースが更新されないよう、書き込みロックをする(別端末で用意しておくとよい)
    mysql> FLUSH TABLES WITH READ LOCK;
  5. マスタで、もう一度tarコマンドを使って全データのバックアップをとる
    master# tar cpf /var/tmp/mysql-snapshot.tar .
  6. マスタで、mysqlコマンドを使って、マスタのバイナリログの位置情報を確認する。
    あとで使うので、必ずメモしておくこと
    mysql> SHOW MASTER STATUS;
    +------------------+----------+--------------+------------------+
    | File             | Position | Binlog_do_db | Binlog_ignore_db |
    +------------------+----------+--------------+------------------+
    | mysql-bin.00002  | 35389    |              |                  |
    +------------------+----------+--------------+------------------+
    1 row in set (0.00 sec)
  7. マスタで、書き込みロックを解除する
    mysql> UNLOCK TABLES;
  8. マスタでバックアップしたデータをスレーブにコピーする
    master# scp /var/tmp/mysql-snapshot.tar slave:/var/tmp/

スレーブを開始する

スレーブのための設定をする。 ここからの作業は、失敗してもマスタには影響がないので、 何回でもやり直しできる。

  1. スレーブで、起動中のmysqldを停止する
    slave# service mysql stop
  2. マスタからコピーしたデータを展開する
    slave# cd /var/lib/mysql
    slave# rm -rf *
    slave# tar xpf /var/tmp/mysql-snapshot.tar
  3. 展開したら、マスタで使っていたバイナリログ用ファイルやエラーログ用ファイルなどを削除する
    slave# rm -f mysql-bin.????? mysql-bin.index
    slave# rm -f マスタのホスト名.pid マスタのホスト名.err
  4. スレーブで、/etc/my.cnfを編集して、「server-id」をマスタのと違う数字にする
    [mysqld]
    server-id=2
  5. スレーブで、サーバを起動する
    slave# service mysqld start
  6. スレーブで、mysqlコマンドを使って、マスタの情報を設定する
    mysql> CHANGE MASTER TO
        -> MASTER_HOST = 'master',
        -> MASTER_USER = 'repl',
        -> MASTER_PASSWORD = 'password',
        -> MASTER_LOG_FILE = 'mysql-bin.00002', (メモしたバイナリログのファイル名)
        -> MASTER_LOG_POS = 35389; (メモしたバイナリログの位置)
  7. スレーブを開始する
    mysql> START SLAVE;
  8. レプリケーションが成功したら、スレーブで、/etc/my.cnfを編集して、マスタの情報を設定する(情報は/var/lib/mysql/masater.infoにすでに書き込まれている)
    [mysqld]
    server-id=2
    master-host=master
    master-user=repl
    master-password=password

追記:my.cnfへの設定の追加

CentOSのバージョンが上がると、いつの間にか、バイナリログファイルを置く場所が変わってしまっていた。ファイル名もホスト名ベースから、デフォルトの「mysql-bin」になってしまっていた。

  • 変更前:/var/lib/mysql/<hostname>-bin.XXXXX
  • 変更後:/var/run/mysqld/mysql-bin.XXXXX

したがって、ここまでに書いた設定では、 レプリケーション側がうまく動作しなくなってしまい、問題が生じる。

とりあえず、 バイナリログファイル関係(マスタ側)やリレーログファイル関係(スレーブ側)の 設定を、/etc/my.cnfに追加する必要がある。詳しくは、下の情報を参照。

CentOS5.1でMySQLのレプリケーションを設定。
セオリー通りに設定して無事動いたんですが、
サーバを物理的に再起動すると、あらまバイナリログが初期化される・・・。
で、セカンダリのMySQLはログを見失いレプリケーションが崩れる。。。

色々見ていると、どうもMySQLのバイナリログの保存先が"/var/run/mysql"とかになってる。
で、"/var/run"以下は再起動時に綺麗にお掃除されるため、バイナリログももれなく削除。
と言うことで、起動ファイルに下記を追加して難を凌ぎました。

というわけで、ざっくり書くと、 マスタサーバの/etc/my.cnfに次の情報を書いた上で、作業を進める。

log-bin=/var/lib/mysql/mysqld-bin

さらに、スレーブサーバ側の作業を進める時に、 次の設定を/etc/my.cnfに用意しておく。

#log-bin=/var/lib/mysql/mysqld-bin ←コメントアウトするか削除する
relay-log=/var/lib/mysql/mysqld-relay-bin
relay-log-index=/var/lib/mysql/mysqld-relay-bin

追記2:さらにmy.cnfへの設定の追加

Moodleのアップグレードの際に、その途中で、 データベースのログにエラーが記録されていた。 それに対応するために、次の設定を「/etc/my.cnf」に追加した。

…
binlog_format=row
…

行ベースでバイナリログファイルに記録することになるので、 バイナリログファイルの大きさが結構大きくなるみたい……

参考


リロード   差分   ホーム 一覧 検索 最終更新 バックアップ リンク元   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: Tue, 01 Apr 2014 16:53:01 JST (3671d)