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AND OR

符号検定

  • 中央値の差を検定する手法である
  • 対応のある2つの標本(調査前と調査後、教育前と教育後など)について、それぞれのデータの対(各組)の大小(または優劣)関係にもとづいて検定する

検定の対象

対応のある2組の標本(標本数は同じ)について考える。

  • 例えば、ある教育の前と後の効果、実験の前と後の結果の違いなどを調べる

2つの標本AとBについて、データを表にまとめると次のようになったとする。

 12345n-1n
標本A5334224
標本B3515212
  • 2つの標本のデータの各組を比較する
    • 「大きい(または、優れている)」となった組の数を \normalsize n_1 とする
    • 「小さい(または、劣っている)」となった組の数を \normalsize n_2 とする
    • 同じになった組は、検定から除外する
 12345n-1n
標本A5334224
標本B3515212
A-B0
  • 試行回数が \normalsize n_1 + n_2 と見なして考えると、2つの標本の中央値に差がないとすれば、「大きい」と「小さい」となる確率は \normalsize \frac{1}{2} となるはず
  • 標本数を \normalsize N = n_1 + n_2 とする

符号検定(小標本 : 二項検定を利用)

  • 標本数が少ない場合は、二項検定を利用して、正確な有意確率を求める

帰無仮説と対立仮説

対応のある2組の標本の中央値に差があるかどうかを調べる。

  • 帰無仮説 \normalsize H_{0} は「2組の標本の中央値に差はない」
  • 対立仮説 \normalsize H_{1} は「2組の標本の中央値に差がある」

検定統計量の算出

  • 試行回数が \normalsize n_1 + n_2 の状況で、帰無仮説が成り立つとすれば「大きい」と「小さい」となる確率は \normalsize \frac{1}{2} となるのを利用
  • \normalsize n_1\normalsize n_2 の小さい方の値 \normalsize m 以下 に対応する符号が出現する確率を求める
    m = \min (n_1, n_2)
  • 二項検定を利用して、次の式から「\normalsize m 回以下」起きる確率を算出する
    P_0 = 2 \sum_{i=0}^m {}_N C_i \left( \frac{1}{2} \right)^2

仮説の判定

  • 算出した有意確率(P値)と有意水準を比較する
    • 片側検定
      • 帰無仮説 \normalsize H_{0} を棄却 : \normalsize P_0 < \alpha
      • 帰無仮説 \normalsize H_{0} を採択 : \normalsize P_0 \geq \alpha
    • 両側検定
      • 帰無仮説 \normalsize H_{0} を棄却 : \normalsize 2P_0 < \alpha
      • 帰無仮説 \normalsize H_{0} を採択 : \normalsize 2P_0 \geq \alpha

符号検定(大標本 : 標準正規分布を利用)

  • 標本数が多い場合は、標準正規分布を利用して検定する

帰無仮説と対立仮説

対応のある2組の標本の中央値に差があるかどうかを調べる。

  • 帰無仮説 \normalsize H_{0} は「2組の標本の中央値に差はない」
  • 対立仮説 \normalsize H_{1} は「2組の標本の中央値に差がある」

検定統計量の算出

  • 標準正規分布にしたがう、検定統計量 \normalsize z_0 を次の式から算出する
    z_0 = \frac{ | n_1 -n_2 | }{ \sqrt{ n_1 + n_2 } }
  • 二項分布は離散型の分布であるため、標準正規分布のような連続型の分布に近似すると、その精度はあまりよくない
  • そこで、Yatesの連続補正をすることで、精度をよくする
    z_0 = \frac{ | n_1 -n_2 | - 1 }{ \sqrt{ n_1 + n_2 } }

仮説の判定(両側検定)

  • 検定統計量 \normalsize z_0 と、有意水準 \normalsize \alpha の有意点の値(標準正規分布表などから求める)を使って、判定をする
    • 帰無仮説 \normalsize H_{0} を棄却 : \normalsize |z_0| > z(\alpha/2)
      • 「有意に差がある」「検定の結果、有意である」
    • 帰無仮説 \normalsize H_{0} を採択 : \normalsize |z_0| < z(\alpha/2)
      • 「有意に差はない」「検定の結果、有意でない」「差があるとはいえない」

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Last-modified: Wed, 22 Jul 2015 17:56:30 JST (3195d)