対応のない2組の平均値の差の検定(母分散が未知だが等しい)検定の対象対応のない(独立した)2つの母集団について考える。それぞれの母数は次のとおり。 ただし、母分散の値はわからない。
等分散の検定(F検定)まず、未知の2組の母分散が等しいかどうかを調べる。
t検定
帰無仮説と対立仮説対応のない(独立した)2組の母集団の平均に差があるかどうかを調べる。
検定統計量の算出
仮説の判定(両側検定)
例題
考え方「銘柄A」のたばこと「銘柄B」について、それぞれの本数やニコチン含有量の平均と標準偏差についてまとめると、次の表のようになる。
まず、母分散が等しいかどうかを調べるため、等分散の検定をする。 F分布にしたがう、等分散の検定の検定統計量は、次のようになる。 この値を、第1自由度が 、第2自由度が 、有意水準 の F 値を分布表から調べると、3.374 となる。 検定統計量と比較すると、 となり、 2組の標本の母分散は等分散であると判断できるので、t検定を用いる。 「銘柄A」のたばこと「銘柄B」について、ニコチン含有量の平均に差があるかどうか調べたいので、 帰無仮説と対立仮説は、次のようになる。
検定統計量を求めるため、まず、 全体の分散(母分散 の不偏推定量)を求める。 したがって、検定統計量 を求めると、 次のようになる。 この検定統計量を両側検定で判定する。 有意水準 では、 自由度 のt値を分布表から調べると、 となり、 帰無仮説は棄却される。 つまり、有意水準 5% で仮説検定を行った結果、 2つの銘柄のたばこのニコチン含有量には差がある。 なお、有意水準 では、 となり、 帰無仮説は棄却できない。 つまり、有意水準 1% では、2つの銘柄のたばこのニコチン含有量には差があるとはいえない。 |