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AND OR

比率の差の検定

比率の差の検定には、次の2つの方法がある。

  • 正規分布に近似して検定
  • 独立性の検定( \normalsize \chi^2 検定)

ここでは、正規分布に近似する方法を説明する。

検定の対象

2組の標本のについて考える。それぞれの統計量は次のとおり。

 標本1標本2
標本数\normalsize n_1\normalsize n_2
事象が起こる回数\normalsize r_1\normalsize r_2
標本比率\normalsize p_1 = \frac{r_1}{n_1}\normalsize p_2 = \frac{r_2}{n_2}

正規分布に近似する方法

この方法を使って、標本比率の差を検定するには、次の2つの条件を満たさないといけない

  • \normalsize n_1 p_1 > 5 , \hspace{8} (p_1 < 1 - p_1) 、または \normalsize n_1 > 25
  • \normalsize n_2 p_2 > 5 , \hspace{8} (p_2 < 1 - p_2) 、または \normalsize n_2 > 25

帰無仮説と対立仮説

2組の標本の比率に差があるかどうかを調べる。

  • 帰無仮説 \normalsize H_{0} は「2組の標本の比率に差はない」 : \normalsize p_1 = p_2 (= p)
  • 対立仮説 \normalsize H_{1} は「2組の標本の比率に差がある」 : \normalsize p_1 \neq p_2

検定統計量の算出

  • 母比率の推定値 \normalsize \hat{p} を求める
    \hat{p} = \frac{ n_1 p_1 + n_2 p_2 }{ n_1 + n_2 }
  • 標準正規分布にしたがう、検定統計量 \normalsize z_0 を次の式から算出する
    z_0 = \frac{ p_1 - p_2 }{ \sqrt{ \hat{p} ( 1 - \hat{p} ) \left( \frac{1}{n_1} + \frac{1}{n_2} \right) } }

仮説の判定(両側検定)

  • 検定統計量 \normalsize z_0 と、有意水準 \normalsize \alpha の有意点の値(標準正規分布表などから求める)を使って、判定をする
    • 帰無仮説 \normalsize H_{0} を棄却 : \normalsize |z_0| > z(\alpha/2)
      • 「有意に差がある」「検定の結果、有意である」
    • 帰無仮説 \normalsize H_{0} を採択 : \normalsize |z_0| < z(\alpha/2)
      • 「有意に差はない」「検定の結果、有意でない」「差があるとはいえない」

例題

  • 男性有権者の中から1,200人、女性有権者の中から900人を選んで、内閣の支持者の数を調べた結果、それぞれ432人と276人であった。男性と女性間で支持率に差があるといえるか?

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Last-modified: Tue, 11 Mar 2014 19:49:35 JST (3692d)