どっとゼミ・情報処理入門 第4回 (2004-03-11)
プレゼンテーション
プレゼンテーションとは?
プレゼンテーションとは、「発表」「紹介」「表現」をすることを意味しています。
次の例のように、人に「発表」「紹介」「表現」するときに、さまざまなツールを利用して、聞き手に内容を理解し賛同してもらうのが、プレゼンテーションのおもな目的です。
- 講習会や授業での説明
- 会議での企画・作品の発表・表現
- 学会での研究の発表
プレゼンテーションの方法
現在のプレゼンテーションのおもな方法は、
「プレゼンテーションソフト」と「プロジェクタ」を使う方法です。
プレゼンテーションソフトとプロジェクタを使う利点は、次のとおりです。
最近は、プレゼンテーションソフトではなく、Webページを使う方法もあります。
- 視覚的な表現(グラフィック、イラスト)
- 動きのある表現(アニメーション)
- 他のプレゼンテーションデータや表・グラフを利用
- 短時間で効果的なプレゼンテーションを作成
プレゼンテーションソフトが登場する以前の、プレゼンテーションのツールには次のものがあげられるでしょう。現在でもこれらのツールは利用されており、プレゼンテーションソフトだけでは説明・表現できないものには、とても有効です。
- 内容が消えてしまうもの : 黒板、ホワイトボード
- 内容が消えないもの : OHP(Over Head Projector)、OHC(Over Head Camera)、スライド(35mmフィルム)
プレゼンテーションソフトの機能
おもな機能
プレゼンテーションソフトでは、プレゼンテーションのもととなるスライドを作成します。作成したスライドに、文字を入力したり図形を描いて、スライドを完成します。いくつものスライドを作成して、パラパラマンガのようにして見せるのが、プレゼンテーションソフトを使ったプレゼンテーションです。
プレゼンテーションソフトのおもな機能を、いくつか挙げてみます。
- スライドの管理機能
- スライドの作成・編集・削除
- スライドのレイアウト・デザイン・配色
- スライドの再生(スライドショー)
- アウトライン機能
- 箇条書き・段落番号
- インデント
- 文字の位置揃え(左・中央・右)
- 文字の装飾
- グラフィック機能
- 図形の作成・編集(ドロー機能、オートシェイプ)
- イラストの挿入(クリップアート)
- 絵文字の作成・編集(ワードアート)
- 表やグラフの作成・編集
- アニメーション機能
- 文字や図形のアニメーション
- スライドの切り替えのアニメーション(画面切り替え)
- 資料機能
プレゼンテーションの作成手順
プレゼンテーションソフトを使った、プレゼンテーション資料の作成手順は、
たとえば次のような順序になります。
しかし、必ずしもこの順序で作る必要はなく、それぞれの段階を効率よくやるのがポイントです。
- スライド全体のレイアウト、デザイン、配色の設定
- タイトルスライドの作成
- 説明のスライドの作成
- 新たらしいスライドの作成とレイアウトの設定
- 文章の入力・装飾
- 図や表・グラフの作成
- アニメーションの設定
- スライドショーで確認
このほかに、説明の順序を考えることも重要です。
たとえば、次のような説明の順序が考えられます。
- 起・承・転・結(お話向き)
- 序論・本論・結論(説明向き)
プレゼンテーションソフトの便利な使い方
プレゼンテーションは、ビジネスの世界では、いまや必須のソフトであるといえます。
しかし、個人向けにも、このような使い方ができます。
- ポスターやカード
- アルバム(写真をはりつけて)
- レシピ(写真や動画を貼り付けて)
- 日記(絵日記・写真つき日記)
- 紙芝居やパラパラ漫画(スライドを切り替えて)
作るときのポイント
プレゼンテーションソフトを使って、スライドを作成するときには、次のようなポイントを気をつけましょう。
- 1スライドに1つの内容
- そのスライドで伝えたい内容は1つに絞る
- 5W1Hを明確に (Who:誰に(対象), What:何を(目的), Why:なぜ(理由), Where:どこ(場所),Which:どちら(選択), How:どのように(計画・手段))
- ポイントは最初に
- 文章は箇条書き
- 簡潔に・わかりやすく書く
- 細かい説明は、図やイラストを利用する
- 7±2のマジックナンバー
- 人が一度に記憶できる数(心理学者ミラーの実験結果)
また、ノンバーバルコミュニケーション(non-verbal communication)という考え方があります。身振り手振りや顔の表情でコミュニケーション(言葉以外)のことをいいます。
言葉によるコミュニケーションは、バーバルコミュニケーションといいます。
メラビアン(Mehrabian)の実験では、相手に伝わるメッセージの割合について、言葉(バーバル)、声(ボーカル)、身振り(ノンバーバル)のそれぞれが次のような割合になるという結果が得られました。
- バーバルな情報 : 7%
- ボーカル(声の高低・大小・調子など) : 38%
- ノンバーバルなコミュニケーション : 55%
情報の分類 : LATCH
人に情報を伝えるときに、情報を分類して整理することはとても大事です。
情報を分類する基準として、LATCH(ラッチ)と呼ばれる、次の5つがあげられます。
(『それは「情報」ではない』Richard Saul Wurman)
- 位置(Location):位置が基準
- 場所(都道府県、地域など)、組織の構造(部署、学部・学科)
- 音韻(Alphabet):音韻順が基準
- 時間(Time):時間軸が基準
- 分野(Category):内容が基準
- 階層(Hierarchy):程度が基準
Powerpointの操作
代表的なプレゼンテーションソフトである、Powerpoint(マイクロソフト社)を使って、
プレゼンテーションソフトの操作を学習します。
(テキスト「インフォメーション・リテラシ」の182〜204ページを参照)
こちらのファイルをダウンロードして起動してください。
このファイルを操作しながら、プレゼンテーションソフトを学習します。
- スライドの作成
- スライドのデザイン・レイアウト
- 文字の入力・編集
- 図形の作成・編集
- 図・イラストの挿入
- アニメーション
グラフィック機能
グラフィックソフトは、描く画像情報の扱い方で「ペイント系」と「ドロー系」の2つに分けることができます。それぞれの特徴は次のとおりです。
- ペイント系
- 画像を点の集まり(ビットマップ)として扱う
- 新しい画像は上書き(実際の絵筆と同じ)
- 拡大・縮小すると、形が崩れる
- 複雑なグラフィック向き(イラストや写真)
- 代表的なソフトは、ペイント(Windows付属)やPhotoshop(アドビ)
- ドロー系
- 画像を図形の座標・大きさ・向き等の情報(ベクトル)として扱う
- 画像の順序を入れ替えることができる
- 拡大・縮小しても、形が崩れない
- 単純なグラフィック向き(図形やフォント)
- 代表的なソフトは、Illustrator(アドビ)やFlash(マクロメディア)
課題
課題1 自己紹介
Powerpointを使って、自己紹介のスライドを作成してください。
スライドの構成内容は次のとおりとします。
- 1枚目 : 自己紹介
- 名前
- どっとゼミ番号
- 高校名(高校のWebサイト)
- 2枚目 : どっとゼミの感想
- 受講した理由
- よかったところ
- 大変だった・しんどかったところ
- 勉強になったところ
次のポイントに注意してください。
- 文章は箇条書きで、色やフォントなどの装飾をつける
- 1枚のスライドに1つ以上のクリップアートを使う
- 1枚のスライドに1つ以上のアニメーションを設定する
作成できたら、次のような設定で、ファイルに保存しなさい。
- 保存先:「マイドキュメント」→「dotto」→「4th」
- ファイル名:「0311」+どっとゼミ番号+「a.ppt」
(例:どっとゼミ番号がJ2041000の場合は、0311J2041000a.ppt)
課題2 デジタルポスター
Powerpointの機能を使って、動きのあるデジタルのポスターを制作してください。
最近起こっているコンピュータやインターネット関係の事件や問題から、
テーマを1つ選び、
その問題に注意を呼びかけるポスターを制作してください。
まず、下の表から、ポスターの題材とする、テーマを1つ選択してください。
テーマ | キーワード |
コンピュータウィルス | ウィルス、ワーム、ワクチンソフト |
コンピュータの管理 | パスワード、バックアップ、修正プログラム、パッチ |
インターネットとプライバシー | 個人情報、迷惑メール、掲示板、ストーカー |
インターネットと犯罪 | 不正アクセス、架空請求、詐欺、著作権 |
次に、テーマを選択できたら、下のリンク集にある検索サイトや情報サイトから、
上の表のキーワードを使って、情報を探し出してください。
探してもらう情報は、次のようなものです。
- 現状、同じような事件の発生状態、問題についての歴史
- 事件や問題が発生する原因や背景、しくみ
- 対策や対処の方法、注意点
情報が探し出せたら、Powerpointでスライドを制作します。
スライドの構成は次のようにします。
- 1枚目(表紙)
- 2枚目
- いままでに発生した事件、問題の歴史
- 問題や事件に関する、現在までの状況や状態、内容などを説明する
- 3枚目
- 事件が起きる原因、問題が発生するしくみ
- なぜ、だれが、どういう事件を起こしてしまうのかを説明する
- どういうしくみが原因で、問題が発生してしまうのかを説明する
- 4枚目
- 事件に巻き込まれないためのポイント・注意を説明
- 問題を発生させないための対策方法を説明
次のポイントに注意してください。
- 文字には、適切に、色やフォントなどの装飾をつける
- 1枚のスライドに1つ以上のクリップアートを使う
- 1枚のスライドに1つ以上のアニメーションを設定する
作成できたら、次のような設定で、ファイルに保存しなさい。
- 保存先:「マイドキュメント」→「dotto」→「4th」
- ファイル名:「0311」+どっとゼミ番号+「b.ppt」
(例:どっとゼミ番号がJ2041000の場合は、0311J2041000b.ppt)
リンク集