どっとゼミ・情報処理入門 第2回 (2004-03-09)
インターネット
インターネットのしくみ
インターネットは「ネットワークのネットワーク」といわれています。
会社や学校などでは、ネットワークを使ってコンピュータ同士を相互に接続して、情報の共有をしています。このようなある組織の中のネットワークをLAN(Local Area Network)といいます。
世界中の多くの組織が自分たちのLANを作って動かしていますが、このLAN同士を相互に接続したもの、つまり世界規模のネットワークがインターネット(Internet)です。インターネットははっきりとした実体はありません。家庭からインターネットを利用するには、プロバイダという民間にインターネット接続を提供する会社と契約をして、電話回線などを使って、インターネットに接続することができます。
最近は、家庭のなかでもネットワークを作ったり、ブロードバンドという高速なネットワーク回線を家庭に直接接続して、より身近に・より快適にインターネットを利用できるようになっています。
インターネットの歴史
インターネットは、もともと、1969年にアメリカの国防総省が作った実験のためのネットワーク(ARPANET)です。アメリカの研究機関や大学などで、電子メールなどのさまざまな技術が生まれました。日本では、インターネットの誕生から14年後、1984年に東京の3つの大学を結ぶネットワーク(JUNET)が国内最初のインターネット環境になります。
その後、1983年に当時アメリカ副大統領のアル・ゴア氏が「情報ハイウェイ構想」を提唱して、アメリカ国内で一気にインターネット環境が整備されました。そして、1995年のWindows 95の登場によって、世界中にインターネットブームが起こりました。
電子メール
電子メールのしくみ
- メールが届くまでのながれ
- 電子メールを利用するには、メールアドレスが必要です。メールサーバに自分のメールボックス(私書箱)を作ることで、メールアドレスを持つことができます。
- メールを読み書きするには、メーラー(メールソフト)というソフトウェアを使います。
- メールソフト(メーラー)を使ってメールを作成
- 作成したメールを自分のメールサーバへ送信
- メールサーバは宛先のメールアドレスから、宛先のメールサーバを調べて、メールを転送
- 宛先のメールサーバは、届いたメールが自分のユーザ宛か確認し、宛先のユーザのメールボックスにメールを保存する
- 宛先の人は、メールソフトを使って、メールサーバからメールを受信して、メールを読む
- メールアドレス
- メールアドレスは、インターネット上の住所・氏名のようなものです。たとえば「g2031000@ed.hyogo-dai.ac.jp」とは次のような意味になります。
- g2031000 : @マークの左は「ユーザID」をです。メールサーバのユーザIDになります。
- @ : 「アットマーク」といいます。ユーザIDとドメイン名の区切りに使われます。
- ed.hyogo-dai.ac.jp : @マークの右は「ドメイン名」です。ドメイン名はインターネットのどのような組織・地域に属しているかをあらわします。
メールソフトの操作
- 送信・宛先の種類
- 自分のメールアドレス宛にテストのメールを送信しましょう
- 「宛先」「件名」「本文」を忘れないように
- 宛先の種類をうまく使いましょう
- 宛先(To):メールを読んで返事がほしい人
- Cc:メールを確認しておいてほしい人(友達、同僚など)
- Bcc:ほかの人には隠してメールを確認してほしい人(先生、上司など)
- 受信・返信
- 送ったメールを受信しましょう
- 受信できたらメールに返事を書いてみましょう
- 受信したメールを「日付順」「タイトル順」などで整理しましょう
- 転送・削除
- 転送:あるメールをほかの人に見てほしいときに利用
- 削除:必要のなくなったメールは定期的に削除
- フォルダ
- アドレス帳
- エラーメールへの対処
署名の設定
たとえば、はがきや手紙を書くときには、文章の最後に自分の名前を書く(署名)のが一般的だと思います。電子メールも同じように、メールを書いたのが誰なのかを明らかにするために、署名をつけます。次の資料をよんで、メーラーに署名を設定しましょう。
電子メールのマナー
電子メールの活用
電子メールを使えば、わりと簡単に、一度にたくさんの人に同じメールを送ることができます。これは、はがきや手紙・電話にはない、電子メールの大きな特徴です。
コミュニケーションの手段としの電子メールには、大勢の人とコミュニケーションするために、次のような方法があります。
- メーリングリスト
- 複数のメールアドレスを登録しておき、ある特定のメールアドレス(メーリングリストのアドレス)宛にメールを送ると、登録されたアドレス全員に同じメールが送られる、というシステムです。特定のテーマや話題について、交流したり議論したりするのに利用されます。メーリングリストに参加するには登録作業が必要になりますし、退会(メーリングリストから抜ける)の手続きも必要となります。
(参考:FreeML http://www.freeml.com/)
- メールマガジン
- メーリングリストの仕掛けを利用して、登録された読者(購読者)へ定期・不定期に
情報を送信するシステムです。メーリングリストとは違い、メールマガジンは一方向(発行者から購読者へ)の情報提供になります。購読者の側からはメールで手元に届くので手軽に読めますし、発行する側からはWebサイトを構築する手間もなく手軽に発行できます。
(参考:まぐまぐ! http://www.mag2.com/)
よりよいメールの書き方
メールマガジンをいくつか購読すると、「わかりやすい」「読みやすい」メールの書き方が見えてきます。ここでは、ポイントをいくつか紹介します。
- 件名をわかりやすく
- 自分が送るメールの優先度を上げるために、内容や目的がわかるよう、「○○に関する質問」のように具体的な件名にしましょう。忙しい人は件名(Subject)だけ見て必要なメールを判断しますし、ただ「質問」や「こんにちは」だけの件名は、肝心の内容が想像できません。
- 行の長さをそろえる
- 読みやすくするために、行の長さを固定してしましょう。全角文字で30〜40文字程度がおすすめの長さです。
文字の多い行は横にスクロールしなければ読めませんし、行によって改行する位置がバラバラでは読む側の目線もバラバラになってしまいます。
- 段落と段落の間には改行を入れる
- いくつもの話題が区切りなく書いてあると、読みづらい上に、どこまでが1つの話題なのかわかりにくくなります。
ひとつの話題を書くときには、1つの段落としてまとめておきましょう。
話題が変わったときには、1つ行をあけてから次の段落を書きましょう。
- 必要のない引用は省略
- 受信したメールを返信するときに、元のメールが引用されます。
引用されたメールを編集せずそのままにしておくと、せっかくの返事が元のメールのどの部分かわかりにくくなります。
必要のない引用は削除するようにしましょう。
- あいさつと署名
- メールの最初には、送受信先を確認する意味で、相手の名前や自分の名前(さらにあいさつ)を書きましょう。最後には、メールを書いた証と連絡先として、署名をつけておきましょう。
電子メールのマナー・3つの「配慮」
- 文字だけのコミュニケーション
- 電子メールは簡単で便利ですが、文字だけで表現するためい、微妙な感情が伝わりにくいところがあります。いいたいことが伝わらず誤解されたり、相手を怒らせたりする場合もあります。逆に、感情に任せて返事を書いてしまうこともあり、トラブルがおこることもあります。
メールを送る前に、相手の立場に立って読み返し、どのように理解されるか考えましょう。また、このメールを送るとどうなるかを想像しましょう。
- コンピュータの種類の違い
- パソコンにも種類があり、WindowsとMacintoshでは、パソコン内部での文字の扱いが異なります。機種依存文字という、コンピュータの種類によって異なる文字は使わないようにしましょう。
また、データファイルを添付ファイルという方法でメールと一緒に送ることができますが、送り先のメールサーバやパソコンの都合によって、大きさサイズのファイルは送れない場合があります。添付ファイルを送るときには、事前に確認するようにしましょう。
- プライバシー
- ついメールの気軽さから、自分だけではなく友人や家族の個人情報を書いてしまうことがありますが、個人情報の管理には十分気をつけましょう。
たとえば、署名には不必要な情報(自宅の住所や電話番号など)は書かないようにしましょう。また、メールが第三者に流出する場合もあるので、個人情報が書いてあるメールを送るときには、送り先にも注意しましょう。
課題 電子メール
- 電子メールの送受信
- まず、自分宛にメールを書いてみましょう。件名と本文は「テスト」とします。
- 次に、自分から届いたメールに返事を書いてみましょう。
- 宛先の使い分けを練習しましょう
宛先を「kawano@ed.hyogo-dai.ac.jp」に、Cc:を自分のメールアドレスに設定して、
件名が「宛先のテスト」というメールを送ってみましょう。
また、自分に届いたメールのヘッダ情報をよく確認してみましょう。
- 電子メールの署名
- 署名をメーラーに設定してください。設定できたら、次のようにメールを送ってください。
なお、上で紹介している、「よりよいメールの書き方」に注意してメールを書くようにしてください。
WWW(World Wide Web)
WWWのしくみ
- ハイパーテキストとWWW
- WWW(World Wide Web)は「世界中に張り巡らせた情報のクモの巣」という意味です。
ハイパーリンク(リンク:情報を関連付けさせる機能)を備えた文書、つまりハイパーテキストを使って、世界中のコンピュータにある情報源を関連付けさせて、世界規模で情報を共有するためのしくみです。
- WebページとWebサーバとブラウザ
- WWWのなかで、ハイパーテキスト化された文書のことをWebページといいます。WebページはWebサーバというコンピュータに蓄積されネットワーク上に公開されます。この公開されたWebページを見るには、ブラウザという専用ソフトを使います。
- URL (Uniform Resource Locator)
- インターネット上の情報源への「接続方法」と「場所」を示すものです。
たとえば、「http://arena.hyogo-dai.ac.jp/hogehoge/hoge.html」とは次のような意味になります。
- 「http://」 : プロトコル(情報源への接続方法)をあらわします。
- 「arena.hyogo-dai.ac.jp」 : ホスト名(情報源のコンピュータ名)をあらわします。
- 「/hoge/hoge.html」 : 情報源のコンピュータの中での、情報が書かれたファイルの位置をあらわします。
ブラウザの操作
- URLの入力
- リンクへのアクセス
- 閲覧履歴の利用
- ブックマーク(お気に入り)とショートカット
番外:コピーと貼り付け
コンピュータの便利なところは、いろいろなものがコピーできることでしょう。
文章をコピーして、別の場所に貼り付けたい(コピー&ペースト)ときには、次のように操作します。
- コピーしたい文章をドラッグして反転させる
- マウスを右クリックし、ショートカットメニューの「コピー」を選ぶ
- カーソルキーを動かすかマウスでクリックして、貼り付けたい場所にカーソルを動かす
- マウスを右クリックし、ショートカットメニューの「貼り付け」を選ぶ
また右クリックのあと、「コピー」ではなく「切り取り」を選ぶと、文章の移動(カット&ペースト)になります。「コピー」・「切り取り」・「貼り付け」の3つの操作は、次のようなキー操作でも同じことができます。
- コピー : [Ctrl]+[C]
- 切り取り : [Ctrl]+[X]
- 貼り付け : [Ctrl]+[V]
WWWの検索
WWWから情報を探す
WWWから情報を探し出す、簡単な方法には次の3つがあります。
- リンクをクリック
- ブックマークやショートカット
- リンク集を活用する
これらの方法では、これまでに訪れたことのないWebページや、訪れたサイトの作者の趣味と違う情報にはたどり着けません。しかも、インターネット上のWebページは、一説には30億以上あり*1、次々に生まれ・削除されています。
検索サイトのしくみ
インターネットの変化に対応し、Webページの情報を集め、それを整理し、検索するための仕掛けが、「検索サイト」です。インターネットでの電話帳や観光ガイドのようなものです。本で例えれば、目次や索引にあたります。
検索サイトの種類は大きく2つあります。詳しくは、次の表のようになります。
ただし、最近は両方の機能を持つ検索サイトが増えています。
| ディレクトリ型(登録型) | ロボット型(全文検索型) |
収集する対象 | WebサイトのURL | Webページの全内容 |
登録の方法 | 申請・推薦されたサイトを手作業で登録 | プログラム(ロボット)をインターネットを巡回させて収集 |
整理の方法 | 内容からカテゴリに分類 | Webページの内容をデータベース化 |
検索の仕方 | カテゴリを徐々に絞り込む | ページに含まれるキーワードを入力 |
検索結果の特徴 | ハズレはあまりないが、結果が少ない | 結果が多いが、キーワードは確実に含まれる |
向いている検索 | 公式・公共のサイトや、有名なサイト | ノンジャンル |
代表例 | Yahoo! JAPAN http://www.yahoo.co.jp/ | Google http://www.google.co.jp/ |
検索のコツ
ただ検索サイトを利用するだけではなく、検索サイトの機能やブラウザの機能を活用して、より簡単に・確実に情報を検索なコツを見つけましょう。
- ブックマーク・ショートカット
- 検索した結果はブックマークやショートカットとして残しておけば、いつでも見ることができます。また、検索中の状態もブックマーク・ショートカットにしておけば、どのように検索したか後で確認することができます。
- カテゴリ・キーワードの選び方
- 目的とする情報があるWebページを想像し、書いてそうな単語を使って、カテゴリやキーワードを選びましょう。またロボット型検索では、複数のキーワードを使えば、検索結果を絞り込むことができます。一度調べた結果から、次のキーワードを探すとよいでしょう。
- リンク集の活用
- 専門的なサイトでは、そのカテゴリに関する良いリンク集があることが多いです。
検索した結果にリンク集がある場合は、検索サイトだけではなく、それを活用しましょう。
WWWのマナー
WWWのマナー・3つの「注意」
- 情報の信ぴょう性
- Webページは誰でも作ることができます。
これは、WWWの大きな利点です。
しかし、新聞社やテレビ局のように、裏づけがある情報だけが書いてあるとは限りません。本当かどうか怪しいものや、デマ・都市伝説など、信憑性に欠けるものも多くあります。
重大な情報や変わった情報を目にしたときには、その情報源が「いつ」「誰の手で」作られたのか確認しましょう。また、検索サイトを利用して、他にも同じような情報があるか、確認するとよいでしょう。
- 有害・不法なサイト
- 何かのサービスを利用するときに、名前や電話番号・メールアドレスを入力すると、
しばらくして国際電話の料金請求が送られてきたり、何かの宣伝のメール(スパムメール)が送られてくることがあるかもしれません。個人情報を入力するときには、どのように利用されるか、そのサイトが信用できるかをよく見極めましょう。
また、画面中にいくつもブラウザを起動させるブラクラ(ブラウザ・クラッシャー)、見た人のパソコンをコンピュータウィルスに感染させるサイトもあります。リンク先のURLをよく確認するようにしましょう。
- 著作権
- Webページの内容も、人が作ったものです。
人が作ったものには著作権が発生します。
文章だけではなく画像データにも著作権があります。
個人的に利用するのはまず問題ありませんが、
Webページの内容を勝手にメーリングリストに公開したり、
画像データを転用して別のWebページを作るのは、著作権違反になります。
課題 Webサイトの検索
- 次のなかから、テーマを1つ選んでください。
- 顔文字
- チェーンメール
- 住んでいる都市・地域
- 自由テーマ(なんでもかまいません)
- 選んだテーマを理解するためのサイト(たとえば解説や歴史)をYahoo! Japan ( http://www.yahoo.co.jp/ )やGoogle ( http://www.google.co.jp/ )で検索しなさい。
検索のしかたは、自由です。
- 検索した結果を2つ、メモ帳を使って入力しなさい。
- サイトのURL(アドレス)
- サイトのタイトル(タイトルバーから)
- どのように探したか(カテゴリをどのように絞り込んだか、どんなキーワードを使ったか)
- 入力できたら、名前をつけて保存してください。
- 保存先:「マイドキュメント」→「dotto」→「2nd」
- ファイル名:「0309」+どっとゼミ番号+「.txt」
- メモできたら、次のような設定で、メモした内容をメールを送りなさい。
インターネットのセキュリティ
セキュリティに関するビデオ
まず最初に、パソコンやインターネットのセキュリティ(安全性)に関するビデオを見ます。このビデオは、NPO 日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)が制作したものです。
ビデオを見て、まずセキュリティ全般について学習しましょう。
セキュリティ問題とは
パソコン、とくにインターネットを利用していると、コンピュータのデータがおかしくなったり、インターネット上でトラブルに巻き込まれるなど、セキュリティ上の問題(危険)が起こることがあります。セキュリティ上の危険には、大きくわけると、次の2つが考えれます。
- パソコンやインターネットだけで危険
- スパムメール・チェーンメール
- コンピュータウィルス
- 不正アクセス
- 現実世界に影響する危険
- 盗聴・情報の漏洩
- 有害サイト・違法サイト
- ネットストーカー
それぞれ問題とその対策はこのあと述べていきますが、セキュリティ問題全般について、その対象方法は次の2つです。
- 正しい知識・技術を身につける
- まず、それぞれのセキュリティ問題について、正しい知識を身につけましょう。問題の内容、原因、対処方法を理解し、必要な技術があれば手に入れましょう。インターネット上にはセキュイリティに関する様々な情報があります。また、コンピュータ雑誌や新聞などでも特集がくまれている場合もあります。
- 情報を収集する
- セキュリティ情報に関する「アンテナ」を張って、情報を収集しましょう。国やソフトウェア会社はインターネット上に情報を公開しています。また、大規模なセキュリティ問題は、新聞やニュース番組でも取り上げられます。
スパムメール・チェーンメール
スパムメール・チェーンメールとは
- スパムメール
- 頼みもしないのに一方的に送られてくる宣伝や広告メールをスパム(SPAM)メールといいます。お金儲けや出会い系・アダルトなどの内容がほとんどです。UBE(Unsolicited Bulk E-mail)とも呼ばれます。最近の携帯電話の迷惑メールも同じです。
- チェーンメール
- 「不幸の手紙」や「幸福の手紙」のように、ある一定の期間に指定された人数に同じメールを送るように強要するメールです。また、「RH-の血液型を探して...」や「これは番組の企画で...」のようにデマの情報を使って、大量のメールを発生させようとするものです。
スパムメール・チェーンメールの問題点
これらのメールの問題点は、次の3つです。
- 受け手の都合を考えていない
- これらのメールは一方的に送りつけられ、そのせいで受ける側は何らかの対応をしなくてはなりません。また、メールを受信するために、電話料金やプロバイダの利用料がかかります。これらは受ける側が負担しなくてはいけなく、悪質なものです。
- インターネット上にメールの洪水を発生させる
チェーンメールの指示にしたがって多くの人がメールを転送しだしたら、大量のメールが発生し、インターネットにメールの洪水が発生します。そうなると、メールサーバやネットワークが大量のメールを処理しきれなくなり、必要なメールが処理されなくなるだけではなく、インターネットそのものが機能しなくなってしまいます。
スパムメール・チェーンメールの対策
まずメールの内容を無視して、削除してしまうのが、一番の対策です。
そして、自分のメールアドレスを利用されないよう注意する必要があります。
スパムメールの発信者(スパまー)は、名簿業者から手に入れたメールアドレスや、コンピュータで自動的に作り上げたメールアドレスを使って、メールを送信します。スパムメールに書いてある送信中止の連絡先にメールしてしまうと、そのメールアドレスが利用可能なことを相手に知らせることになってしまいます。
また、チェーンメールは、怖いもの・面白いものだけでなく、信ぴょう性の高そうなものもあります。インターネットの検索サイトを利用して、本当なのかどうか確かめるようにしましょう。
コンピュータウィルス
コンピュータウィルスとは
「コンピュータウィルス」とは、「別のコンピュータに侵入し、なんからの被害を加える悪質なプログラム」といえるでしょう。
「自己伝染」「潜伏」「発病」のいずれか1つ以上の機能を持っていて、主な種類としては次の3つです。
- ウィルス
- プログラムやファイル(宿主)に感染し、宿主のプログラムやプログラムが起動されるたびに、発病・増殖するもの
- ワーム
- 宿主を必要とせず、自分だけで増殖(自己増殖)し、発病するもの
- トロイの木馬
- 正常なプログラムやファイルに見せかけて、発病するもの
コンピュータウィルスの問題点
- ウィルスの被害
- コンピュータウィルスの被害は年々深刻になっています。
ここ数年は毎年のように世界的なウィルス(2001年のCode RedやSircamやNimda、2002年 のKlez)が発生しています。そしてウィルスの種類と同じく、その被害も「画面に異常が発生」「メールが勝手に送信される」「ディスクを破壊する」など多様になっています。
- ウィルスに感染される隙
- OSやソフトが高機能化してくると、その製作過程で不具合(セキュリティホール)が生じてしまいます。
不具合の程度によってはウィルスの侵入を許すものもあります。また、その不具合を利用するウィルスを作成するためのキットがインターネットで出回るなどの問題もあります。
- ブロードバンドの普及
- 日本では、いまや2人に1人はインターネットを利用しており、ここ数年でインターネットは私たちの生活に浸透してきました。ブロードバンドが自宅まで整備され快適なインターネット環境ができた一方で、ウィルスの感染ルートにもなってしまいました。昔のようなフロッピーディスクによる感染と違い、一瞬かつ大量のパソコンがウィルスに感染する危険にさらされています。
コンピュータウィルスの対策
- 対策ツールの導入
- もっとも基本的な対策は、ウィルス対策ソフトの導入です。
パソコンに導入することで、ウィルスの感染を防ぐだけではなく、万が一ウィルスに感染しても、感染したファイルを隔離し、伝染を防ぐことができます。ウィルス定義ファイル(ウィルスに関する情報や駆除方法が書かれたファイル)を、ソフトウェア会社からダウンロードして常に最新のデータにして、新たに登場するウィルスに対応できるようにしなくてはなりません。また、ブロードバンド環境を利用しているのであれば、パーソナルファイアウォールを導入すれば、ウィルスによる攻撃も防ぐことができます。
- 感染ルートを絶つ
- 最近のウィルスの感染ルートとしては、FDやCD-ROMに加えて、電子メールやWebページがあります。知らない人からのメールや、内容が良くわからない添付ファイルは開かないようにしましょう。また、HTMLメールにも気をつけましょう。
ウィルスの中には、Webページに悪意のあるコード(命令)を埋めこんで、クリックしたり閲覧したパソコンに感染するものもあります。
メールやWebページからの感染は、ソフトを適切に設定することと、ウィルス対策ソフトの機能を使うことで、より感染を防ぐことができます。
- 感染原因を絶つ
- 最近被害が多いワーム型ウィルスは、OSやソフトウェアの不具合(セキュリティホール)をついて、感染し被害を拡大させます。とくにWindowsやInternet Explorerの不具合を利用したものは数多くあります。ソフトウェア会社から不具合を直すためのデータ(パッチ)が公開されています(Windows UpdateやOffice Update)ので、できるだけ早くパッチを適用し、不具合を直すようにしましょう。
不正アクセス
不正アクセスとは
「アクセスを許可されていないコンピュータやネットワークに、不正な方法で侵入し、利用する行為」を不正アクセスといいます(「不正アクセス禁止法」より)。具体的な不正アクセスについて、主なものを3つ挙げます。
- なりすまし
- 他人のパスワードを盗んで、システムに侵入したり、その人になりすまして勝手にメールを送ったりする
- データの改ざん
- なりすましや不正な方法でシステムに侵入し、データを勝手に書き換える
- データの破壊
- なりすましや不正な方法でシステムに侵入し、システムやデータを勝手に削除する
- 情報の漏洩
- 侵入したシステムのデータを盗みとって、第三者に渡したり公開する
このような不正アクセスをする人たちを、「クラッカー(cracker)」といいます。
「ハッカー(hacker)」という言葉がありますが、これは本来、コンピュータやネットワークに精通し、その問題点を指摘したり情報を提供してくれる人たちのことです。
不正アクセスの対策
パソコンやインターネットを利用するレベルで、不正アクセスを防止する方法は、次の2つです。
- 適切なパスワードの管理
- パスワードを書いた紙をディスプレイに貼り付けたりファイルに書いたりしないで、
きちんと管理するようにしましょう。
また、パスワードに使い文字には気をつけましょう。
辞書攻撃や総当り攻撃のような、よくある文字を使ったパスワードを探す攻撃を受けると、パスワードが破られる可能性があります。また、パスワードを定期的に変更するのも大切です。
- 適切なパソコンの管理
- ウィルスの場合と同様に、ソフトウェアの不具合を直してセキュリティホールをふさぐようにしましょう。また、必要のないソフトやサービス(OSの機能)はインストールしない・停止するようにして、危険となる可能性を減らしましょう。