コンピュータ演習(美術デザイン学科第三部) 第4回
- 今回のねらい
インターネット代表的なツールである、電子メールとWebの利用マナーを学習し、これらを使った円滑なコミュニケーションや情報活用ができるようにする。また、検索サイトについて、しくみと活用方法を学習し、インターネットを使った情報収集ができるようにする。
WWW(World Wide Web)
WWWのしくみ
- ハイパーテキストとWWW
WWW(World Wide Web)は「世界中に張り巡らせた情報のクモの巣」という意味です。
ハイパーリンク(リンク:情報を関連付けさせる機能)を備えた文書、つまりハイパーテキストを使って、世界中のコンピュータにある情報源を関連付けさせて、世界規模で情報を共有するためのしくみです。
- WebページとWebサーバとブラウザ
WWWのなかで、ハイパーテキスト化された文書のことをWebページといいます。WebページはWebサーバというコンピュータに蓄積されネットワーク上に公開されます。この公開されたWebページを見るには、ブラウザという専用ソフトを使います。
- URL (Uniform Resource Locator)
インターネット上の情報源への「接続方法」と「場所」を示すものです。
たとえば、「http://arena.hyogo-dai.ac.jp/hogehoge/hoge.html」とは次のような意味になります。
- 「http://」 : プロトコル(情報源への接続方法)をあらわします。
- 「arena.hyogo-dai.ac.jp」 : ホスト名(情報源のコンピュータ名)をあらわします。
- 「/hoge/hoge.html」 : 情報源のコンピュータの中での、情報が書かれたファイルの位置をあらわします。
ブラウザの操作
- URLの入力
- リンクへのアクセス
- 閲覧履歴の利用
- ブックマーク(お気に入り)とショートカット
WWWの検索
WWWから情報を探す
WWWから情報を探し出す、簡単な方法には次の3つがあります。
- リンクをクリック
- ブックマークやショートカット
- リンク集を活用する
これらの方法では、これまでに訪れたことのないWebページや、訪れたサイトの作者の趣味と違う情報にはたどり着けません。しかも、インターネット上のWebページは、一説には30億以上あり*1、次々に生まれ・削除されています。
検索サイトのしくみ
インターネットの変化に対応し、Webページの情報を集め、それを整理し、検索するための仕掛けが、「検索サイト」です。インターネットでの電話帳や観光ガイドのようなものです。本で例えれば、目次や索引にあたります。
検索サイトの種類は大きく2つあります。詳しくは、次の表のようになります。
ただし、最近は両方の機能を持つ検索サイトが増えています。
| ディレクトリ型(登録型) | ロボット型(全文検索型) |
収集する対象 | WebサイトのURL | Webページの全内容 |
登録の方法 | 申請・推薦されたサイトを手作業で登録 | プログラム(ロボット)をインターネットを巡回させて収集 |
整理の方法 | 内容からカテゴリに分類 | Webページの内容をデータベース化 |
検索の仕方 | カテゴリを徐々に絞り込む | ページに含まれるキーワードを入力 |
検索結果の特徴 | ハズレはあまりないが、結果が少ない | 結果が多いが、キーワードは確実に含まれる |
向いている検索 | 公式・公共のサイトや、有名なサイト | ノンジャンル |
代表例 | Yahoo! JAPAN http://www.yahoo.co.jp/ | Google http://www.google.co.jp/ |
検索のコツ
ただ検索サイトを利用するだけではなく、検索サイトの機能やブラウザの機能を活用して、より簡単に・確実に情報を検索なコツを見つけましょう。
- ブックマーク・ショートカット
- 検索した結果はブックマークやショートカットとして残しておけば、いつでも見ることができます。また、検索中の状態もブックマーク・ショートカットにしておけば、どのように検索したか後で確認することができます。
- カテゴリ・キーワードの選び方
- 目的とする情報があるWebページを想像し、書いてそうな単語を使って、カテゴリやキーワードを選びましょう。またロボット型検索では、複数のキーワードを使えば、検索結果を絞り込むことができます。一度調べた結果から、次のキーワードを探すとよいでしょう。
- リンク集の活用
- 専門的なサイトでは、そのカテゴリに関する良いリンク集があることが多いです。
検索した結果にリンク集がある場合は、検索サイトだけではなく、それを活用しましょう。
電子メールのマナー
電子メールの活用
電子メールを使えば、わりと簡単に、一度にたくさんの人に同じメールを送ることができます。これは、はがきや手紙・電話にはない、電子メールの大きな特徴です。
コミュニケーションの手段としの電子メールには、大勢の人とコミュニケーションするために、次のような方法があります。
- メーリングリスト
- 複数のメールアドレスを登録しておき、ある特定のメールアドレス(メーリングリストのアドレス)宛にメールを送ると、登録されたアドレス全員に同じメールが送られる、というシステムです。特定のテーマや話題について、交流したり議論したりするのに利用されます。メーリングリストに参加するには登録作業が必要になりますし、退会(メーリングリストから抜ける)の手続きも必要となります。
(参考:FreeML http://www.freeml.com/)
- メールマガジン
- メーリングリストの仕掛けを利用して、登録された読者(購読者)へ定期・不定期に
情報を送信するシステムです。メーリングリストとは違い、メールマガジンは一方向(発行者から購読者へ)の情報提供になります。購読者の側からはメールで手元に届くので手軽に読めますし、発行する側からはWebサイトを構築する手間もなく手軽に発行できます。
(参考:まぐまぐ! http://www.mag2.com/)
よりよいメールの書き方
メールマガジンをいくつか購読すると、「わかりやすい」「読みやすい」メールの書き方が見えてきます。ここでは、ポイントをいくつか紹介します。
- 件名をわかりやすく
- 自分が送るメールの優先度を上げるために、内容や目的がわかるよう、「○○に関する質問」のように具体的な件名にしましょう。忙しい人は件名(Subject)だけ見て必要なメールを判断しますし、ただ「質問」や「こんにちは」だけの件名は、肝心の内容が想像できません。
- 行の長さをそろえる
- 読みやすくするために、行の長さを固定してしましょう。全角文字で30〜40文字程度がおすすめの長さです。
文字の多い行は横にスクロールしなければ読めませんし、行によって改行する位置がバラバラでは読む側の目線もバラバラになってしまいます。
- 段落と段落の間には改行を入れる
- いくつもの話題が区切りなく書いてあると、読みづらい上に、どこまでが1つの話題なのかわかりにくくなります。
ひとつの話題を書くときには、1つの段落としてまとめておきましょう。
話題が変わったときには、1つ行をあけてから次の段落を書きましょう。
- 必要のない引用は省略
- 受信したメールを返信するときに、元のメールが引用されます。
引用されたメールを編集せずそのままにしておくと、せっかくの返事が元のメールのどの部分かわかりにくくなります。
必要のない引用は削除するようにしましょう。
- あいさつと署名
- メールの最初には、送受信先を確認する意味で、相手の名前や自分の名前(さらにあいさつ)を書きましょう。最後には、メールを書いた証と連絡先として、署名をつけておきましょう。
電子メールのマナー・3つの「配慮」
- 文字だけのコミュニケーション
- 電子メールは簡単で便利ですが、文字だけで表現するためい、微妙な感情が伝わりにくいところがあります。いいたいことが伝わらず誤解されたり、相手を怒らせたりする場合もあります。逆に、感情に任せて返事を書いてしまうこともあり、トラブルがおこることもあります。
メールを送る前に、相手の立場に立って読み返し、どのように理解されるか考えましょう。また、このメールを送るとどうなるかを想像しましょう。
- コンピュータの種類の違い
- パソコンにも種類があり、WindowsとMacintoshでは、パソコン内部での文字の扱いが異なります。機種依存文字という、コンピュータの種類によって異なる文字は使わないようにしましょう。
また、データファイルを添付ファイルという方法でメールと一緒に送ることができますが、送り先のメールサーバやパソコンの都合によって、大きさサイズのファイルは送れない場合があります。添付ファイルを送るときには、事前に確認するようにしましょう。
- プライバシー
- ついメールの気軽さから、自分だけではなく友人や家族の個人情報を書いてしまうことがありますが、個人情報の管理には十分気をつけましょう。
たとえば、署名には不必要な情報(自宅の住所や電話番号など)は書かないようにしましょう。また、メールが第三者に流出する場合もあるので、個人情報が書いてあるメールを送るときには、送り先にも注意しましょう。
WWWのマナー
WWWのマナー・3つの「注意」
- 情報の信ぴょう性
- Webページは誰でも作ることができます。
これは、WWWの大きな利点です。
しかし、新聞社やテレビ局のように、裏づけがある情報だけが書いてあるとは限りません。本当かどうか怪しいものや、デマ・都市伝説など、信憑性に欠けるものも多くあります。
重大な情報や変わった情報を目にしたときには、その情報源が「いつ」「誰の手で」作られたのか確認しましょう。また、検索サイトを利用して、他にも同じような情報があるか、確認するとよいでしょう。
- 有害・不法なサイト
- 何かのサービスを利用するときに、名前や電話番号・メールアドレスを入力すると、
しばらくして国際電話の料金請求が送られてきたり、何かの宣伝のメール(スパムメール)が送られてくることがあるかもしれません。個人情報を入力するときには、どのように利用されるか、そのサイトが信用できるかをよく見極めましょう。
また、画面中にいくつもブラウザを起動させるブラクラ(ブラウザ・クラッシャー)、見た人のパソコンをコンピュータウィルスに感染させるサイトもあります。リンク先のURLをよく確認するようにしましょう。
- 著作権
- Webページの内容も、人が作ったものです。
人が作ったものには著作権が発生します。
文章だけではなく画像データにも著作権があります。
個人的に利用するのはまず問題ありませんが、
Webページの内容を勝手にメーリングリストに公開したり、
画像データを転用して別のWebページを作るのは、著作権違反になります。
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